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水道分担金の消費税用途区分で裁決

週刊T&Amaster 687 2017年4月17日号

 

 居住・非居住併用の新築建物を建築。

 

 このとき、34口分の水道負担金を支払った。

 

 1口52,500円(多分)で合計1,785,000円。

 

 課税仕入を計上する際の用途区分(課税売上対応・非課税売上対応・共通対応)はどうなるか?

 

 原処分庁は、用途区分別の面積に基づいて按分すべきと主張。

 

 そうすると、非課税対応分が増えるわけだ。

 

 しかし、審判所は、「本件の水道分担金は新規に給水装置を設置する者ごとに徴収されるものであるから、本件建物の用途区分別の面積と水道分担金の課税仕入に係る支払低下の額に明確かつ直接的な対応関係はなく、本件建物の用途区分別の面積に基づく区分は個別対応方式を適用する際の合理的な基準とはいえない」と指摘。

 

 よって、テナント1室及び事務所倉庫2室に係る分担金3口は課税売上対応、残りの居室に係る分担金30口は非課税売上対応、供用に係る分担金1口は共通対応に区分されると判断(平成28年10月26日裁決・広島(諸)平28第2号)。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 08:49 | - | - |
過大評価を防ぐ土地評価の実務(鎌倉靖二氏研修会)その1

過大評価を防ぐ土地評価の実務(鎌倉靖二氏研修会)その1

 

先日、広島市で鎌倉靖二氏の研修を受講してきました。

 

〇過大評価を防ぐ土地評価の実務
〜申告後も安心できる適正評価に到達するには〜
講師:不動産鑑定士 鎌倉靖二

 

テキストは、税務研究会の
「改訂増補版 相続税・贈与税 土地評価実務テキスト」
で、買うつもりだったので、配布されてラッキーでした。

 

何度も強調されていたのは、

 

土地評価で一番大事なことは、時価よりも過大評価しないこと

であり、適正な評価を心がけましょうと。

 

無理に下げる必要はないが、更正の請求ビジネスにやられないようにと。

そのためには、いかに気がつくかという視点を得るべきだと。

 

まずは、財産評価基本通達だけでなく、不動産の知識や法律知識が必要だと。
都市計画法や建築基準法の一定の知識を説明。

 

◆財産評価基本通達の土地評価は「減点主義」

 

いかにポイントを見つけるか
見つけられないと即過大評価になる

 

マイナスを見落とさないのに、都市計画と建築基準法の知識が必要だと。

で、都市計画区域の区分に応じて、大まかな地価のイメージを。

 

なるほど、そこから乖離があれば、違和感があるだろうというのですね。

例えば、市街化100なら調整区域は40くらいの地価だと。

 

価値のバランスが分かれば結論が見える
逆算方式での頭の計算ができる

 

価値水準を知っておけば評価明細書のチェックがしやすいと。

 

究極では、土地評価は「建物が建てられるかどうか」の調査が
ちゃんとできれば、大きな誤りは避けられる

 

これは、一番なるほどでした。
その後の、評価単位の話にも繋がって、理解が深まった気がします。

 

◆潜在的な減価要因をいかに顕在化させるか(P173〜、P181〜)

 

いろんな視点から見ることで見落としが防げる

 

例 高圧線

現地調査は晴れの日に行くべき

 

上を見渡して

実は公図からも確認できる

 

評価対象地にうっすら平行な2本の線が見える

実は路線価図でも分かる

 

P185
高圧線の鉄塔マークが記されている

鉄塔と鉄塔を定規で繋げば線が分かる

 

実は路線価図からも分かる

登記でも

地役権設定されていれば分かる

 

P184 乙区に権利制限の内容が書いてある

→知っていると路線価図の見方も変わってくる
減価要因を見つけることができる

 

他にもいろいろありますが、全て面白かったです。

 

で、広大地について、少しだけ話があったので続きます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
法定相続情報証明制度と不動産登記規則

法定相続情報証明制度ですが、不動産登記規則も公布され、5月29日から施行となりました。

 

官報(国立印刷局)

 

法務省に専用ページもできました。

 

法務省

 

登記手続きの変更点も気になりますが、今後税務手続きや、金融機関手続に同リンクしていくかが、注目です。

 

 

(司法書士北詰健太郎)

 

| - | 11:57 | - | - |
水道分担金の消費税用途区分で裁決(T&Amaster)

水道分担金の消費税用途区分で裁決(T&Amaster)

 

T&Amaster2017年4月17日号より。

 

○プレミアム税務:水道分担金の消費税用途区分で裁決
審判所、共通対応分として面積割合で按分すべきとした当局主張を斥ける

 

平成28年10月26日裁決について。

 

賃貸建物を建築して、取得した際の仕入税額控除について個別対応方式採用。
居住用部分やテナント部分等があった場合の区分方法についての判断。

 

課税庁側は、建築費用について、全体を面積比で按分処理せよと主張。
この場合、課のみと非のみを、面積で全体按分することになる。

 

これに対して、審判所は、内容を4つに分けて整理したのですね。

 

1)建物請負工事代金

 

構造的に、居住部分やテナント部分等が区分できるものであったと指摘。
その上で、課のみ・非のみ・共通対応を区分して処理することができると。

 

その際には、建物面積を使うのですが、課税庁処理と違い、3区分になると。
ただ、説示からは、建物の構造次第ということになるようですが。

 

2)水道分担金

 

「新規に給水装置を設置する者ごとに徴収されるもの」だったとのこと。
よって、口数ごとに、課のみ・非のみ・共通対応を区分して処理と。

 

3)エアコン取得費

 

設置場所ごとに区分できると指摘。
その上で、課のみ・非のみ・共通対応を区分して処理することができると。

 

4)その他の建築費用

 

全体を共通対応として、建物面積で按分処理せよと。

 

あと、この事例は、実際には、いわゆるオーバーローンにしてあって。

 

借入後に、一部設備を賃貸に切り替えて、請負代金を減額してあったので。

仮装隠蔽で重加算税対象とされた事案でもありました。

 

メールでの依頼内容が認定事実としても出てきます。

 

もう、調査でメールを見られることは十分ある。
そのように考えておくべき時代なのでしょう。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 07:49 | - | - |
第1次相続の分割確定に伴い第2次相続に係る相続税額に変動が生じた場合の更正の請求 2

先日取り上げたテーマアゲインです。

 

 父が亡くなった。

 

 10ヶ月以内に遺産分割協議がまとまらなかったため、相法55により、法定相続分にて申告(1次相続)。

 

 その後、母も亡くなり、母固有の財産に父の遺産のうち母の法定相続分を加算して申告(2次相続)。

 

 2次相続の申告後に父の遺産分割がまとまったのだが、それによると、母の相続分は法定相続分より少なくなった。

 

 そうすると、2次相続における相続税申告は過大申告となるが、このとき母の相続人は更正の請求により過大納付分を取り戻すことが出来るのか?

 

 税経通信の4月号で、同じテーマが特集されています。

 

 元タクトの金井義家先生は、通則法23一と相法32]擦砲茲觜浩気寮禅瓩可能ではないか、との見解。

 

 なるほど。

 

 しかし、通則法23一は、法定申告期限から5年経った後でないと使えない。

 

 相法32]擦世函◆崛蠡骸磴靴は遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと。」が要件とされる。

 

 話し合いで遺産分割協議がまとまった場合には、適用不可か。

 

(税理士 岡野 訓)

 

 

 

| - | 07:21 | - | - |
オーナー社長の会社に対する貸付金解消法

税経通信4月号 税務経理協会

 

 代表者が会社に貸し付けた資金。

 

 債務超過で回収の見込がないにもかかわらず、そのままにしておくと、相続の際に相続財産に取り込まれてしまう。

 

 生前にどうやって解消しておくべきか。

 

 【短期的解消法】

 

 1)債権放棄・・・青色欠損金あるいは期限切れ欠損金を活用

 

 2) DES・・・債務消滅益課税のリスクあり、疑似DESでやるか。

 

 3)代物弁済・・・代物弁済出来る資産があればよいのだが。

 

 【中・長期的解消法】

 

 1)貸付金の贈与・・・問題の先送り

 

 2)役員報酬の減額・・・減額分を返済に充てると。返済原資があるのなら、そもそも苦労はしないけれど。

 

 記事には載っていないものの、有効な手段としてもう1つ。

 

 すなわち、会社分割して、分割元法人を解散。

 

 分割元法人で期限切れ欠損金を活用して、オーナー貸付金を消滅させる。

 

 さすがに、原稿にするのは勇気がいりますか。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 12:33 | - | - |
固定資産税の家屋の評価方法は見直しされるか

固定資産税の家屋の評価方法は見直しされるか

 

週間エコノミストは、以前も固定資産税関係の特集がありました。
それは、小冊子になって発刊されていましたね。

 

定期的に扱っていくというスタンスなのかもしれません。
今回私は買っていないのですが、リフォームの下記記事は気になりますね。

 


<固定資産税>評価額は正当か? 増える裁判係争
毎日新聞 4/6(木) 9:30配信

 

固定資産税の評価方式に疑問の声も多い=iStock

 

売りたくても売れない土地はいまや珍しくない。しかし、そんな土地にも固定資産税がかかる。評価方式は複雑すぎて素人にはよく分からない。自治体の固定資産税の評価は本当に正しいのか。最近は裁判で争うケースも増えている。【週刊エコノミスト編集部】

 

(略)

 

◇評価額が適正か検証ができない

 

厳密で公平なように見える土地や家屋の評価方法だが、実は不公平な穴も多い。例えば、建物は建築に使われた資材価格を積み上げる「再建築価格方式」で評価し、建物の内装やキッチンなどの設備も把握する建前だが、建物の内部のリフォームは市町村の当局による捕捉が事実上、不可能だ。

 

一方、屋根のふき替え後に市町村の担当者が固定資産税の調査にやってくることもあるが、これは課税対象物件の変化を調べるため毎年、1月1日時点で航空写真を撮影しているから分かるのだ。

 

再建築価格方式は納税者にとって難解なだけでなく、評価する自治体側すらも限界を感じている。この評価方式は高層ビルから戸建て住宅まで、規模や用途にかかわらずすべての建物に適用するが、東京都では延べ床面積が10万平方メートルを超えるような大規模物件の評価を終えるまで、2年近くかかるケースもあるという。

 

そこで都の「固定資産評価に関する検討会」は今年2月、大規模物件をより簡易に評価する二つの方法をまとめた。4月以降に国へ提言する予定だ。

 

ただ、新たな評価方法といっても、再建築価格方式がベースであることには変わりがなく、納税者にどう説明するかといった課題はつきまとう。そもそも、大規模物件の評価額が適正かどうか、第三者には検証がまず不可能だ。

 

大規模な物件の所有者は、都や市町村にとっても大口の納税者。大規模物件であればあるほど評価額の違いは税額の大きな差となって表れるが、仮に特定の物件だけ低く評価していたとしても誰も分からないのだ。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170406-00000018-mai-bus_all

 

リフォームの評価を相続税評価でどう扱うかにも繋がるので。
今後の議論の動向に注目でしょうね。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

| - | 09:31 | - | - |
引用報道記事が事実と異なることが分かりました(税務通信「実例から学ぶ税務の核心〈第8回〉)

引用報道記事が事実と異なることが分かりました(税務通信「実例から学ぶ税務の核心〈第8回〉)

 

税務通信で連載中の「実例から学ぶ税務の核心」についてですが。
下記の通り、引用した記事の内容が、事実と異なることが分かりました。

 

関係者の皆様、読者の皆様にはお詫び申し上げます。

 


税務通信平成29年4月10日号「実例から学ぶ税務の核心〈第8回〉」23頁右段の囲み「60億円追徴課税のLIXIL創業者長女,グループ財団から不透明な資金提供が判明」の報道記事の引用部分(本文5行目から11行目)につき,その後,々饑廼匹呂海譴魑,忘眞弔砲眥敢困貌ったこと,∈眞弔計上していた文化事業への支出の多くが敦子氏への資金援助であったこと,の2点につき事実と異なることが分かりました。

 

よって,同頁右段7行目から10行目の財団法人の利益供与問題が主眼の調査で,その兼ね合いで矛を収めたかもしれないとした記載内容は誤りとなります。

 

本事案については,LIXILグループ及び公益財団法人LIXIL住生活財団との関連は一切ありませんでした。お詫びして訂正させていただきます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 07:30 | - | - |
平成28年12月7日裁決(広大地他)その12 永代供養料の葬式費用是非

平成28年12月7日裁決(広大地他)その12 永代供養料の葬式費用是非

 

濱田)続きで、最後の論点です。
永代供養料を払って、領収証を貰っているので、これを引いたのですね。

 

田中)うーん、あり得ないレベルという気がしますが。

 

渡邊)そうですね。

 

審判所は、永代供養料は、「毎年の忌日や彼岸などに故人の供養をしてもらうために寺に納めておく金員をいうのであり、死者を葬る儀式について支出する葬式費用とはその性格を異にするものというべきである。」と言ってます。

 

田中)ということで、最後はスカでしたね。

 

渡邊)まぁ、しょうもない論点も混じっていましたが。
資産税評価の論点の宝庫という感じの裁決例ではあったのでしょうね。

 

濱田)お疲れ様でした。
また、面白い裁決例あれば勉強しましょう。

 

(税理士 渡邊雄一 税理士・公認会計士 田中恒行 税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
平成28年12月7日裁決(広大地他)その11 私道(行き止まり道路)の評価

平成28年12月7日裁決(広大地他)その11 私道(行き止まり道路)の評価

 

田中)続きで、私道の評価に移りましょう。

 

濱田)専ら土地に隣接する住宅6棟の住民という特定の者の通行の用に供されており、いわゆる行き止まり道路だと課税庁は主張したのですね。

 

渡邊)不特定多数の者の通行の用に供されているとは認められないとしたので、評価額0円というわけにはいかないでしょと言ったわけです。

 

田中)納税者は、固定資産税の評価が非課税になっているのだから、相続税評価額もゼロにすべきだと言ったのですね。

うーん、流石にこれは。

 

濱田)認定事実によれば、市道に1方が接続するものの、ほかの3方はいずれも宅地に接していて、通り抜けはできないと言っています。

 

渡邊)公園などの公共的施設もないのだから、隣接する宅地の上に存する家屋の居住者又はその関係者など、家屋に出入りする者に限られると。
ということで、当然、不特定多数の者の通行の用には供されていないと。

 

田中)何故、争ったのでしょうね。

 

濱田)固定資産税評価額がゼロだからと、安易にゼロ評価したのでしょうか。

 

渡邊)文字通り「通り抜け私道」でもなかったのですから。
ちょっと、申告した税理士の判断がよくわかりません。

 

では、最後の論点に行きましょう。

 

(税理士 渡邊雄一 税理士・公認会計士 田中恒行 税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

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