大阪勉強会からの税法実務情報

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「やや節税面を強調した販売をし過ぎた」(生保協会長)

「やや節税面を強調した販売をし過ぎた」(生保協会長)

 

 「やや」ですか……。

 


生保協会長、経営者向け保険の販売自粛促す
産経新聞 2019.2.15 20:57経済金融・財政

 

 生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命保険社長)は15日の記者会見で、中小企業経営者向けにPRしている保険商品について国税庁が税務上の取り扱いを見直す方針を示したことを受け、「顧客や代理店に混乱が生じないようお願いしている」と述べ、各社に販売自粛を含む適切な対応を求めたことを明らかにした。

 

 (略)

 

 稲垣氏は「やや節税面を強調した販売をし過ぎた」と振り返った。

 

https://www.sankei.com/economy/news/190215/ecn1902150040-n1.html

 

 本来、生命保険は、経済的には、金融商品と同じ性格ですから。
 金融商品と同じ課税にすべきとの意見が出ても、全くおかしくない

 

 それを、敢えて、そのようにしていないのは何故か。
 生命保険の本来の目的が、金融商品とは違うとの整理があるからですね。

 

 ところが、そこを忘れて、金融商品と同じ売り方をする。
 納税者も、金融商品と同じ使い方をする。

 

 であれば、課税の取扱いを、別にする意味はないよねと。
 だから、そうならないように、自主的にやってきてね、が今まで。

 

 なのに、何をとち狂ったのか、全損商品の大々的アナウンス。
 このようなゴールが先に待っているのは、販売開始時点で自明。

 

 自殺行為としか思えないのですが、いや、それ以外の理由ありますかね。

 まぁ、これで節税を謳う魑魅魍魎が減れば、その方が世のためですか。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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会計帳簿等の閲覧謄写請求をめぐる最近の裁判事例 2

週刊T&Amaster 774 2019年2月11日

 

 昨日に引き続き、会計帳簿等の閲覧請求関係事例。

 

 今回の事例は、請求理由(会社法433|貊顱砲梁姑櫃砲弔い董

 

 会社法433“歓茵屬海両豺腓砲いては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。」

 

 1)原告株主の主張

 

 「被告会社からその子会社に対して委託料名目で年額740万円程度の支払いがなされ、ほぼ同額が子会社代表取締役に役員報酬として支払われているという一連の金銭の流れを問題視したうえで、本来被告会社に計上される収益の一部が子会社に計上されている可能性を考慮し、これらの事情について調査をして結果によっては取締役責任追及の訴えを提起すべく会計帳簿等の閲覧謄写の請求をしているのであるから閲覧謄写の請求をしているのであるから閲覧謄写を請求する理由がある。」

 

 2)被告会社の主張

 

 「被告会社の子会社は100%子会社であることから、被告会社とその子会社との間の取引については利害の対立は起こりえないとして、被告会社からその子会社への財産移転を理由として取締役の責任追及を行うべく被告会社の会計帳簿等の閲覧謄写請求を行うことは理由がない。」

 

 3)裁判所の判断

 

 「被告会社からその子会社への委託料名目での支払について、委託に係る業務の内容や対価の相当性を調査する必要性があると認められる。会計帳簿等(ただし、そのうち被告会社とその子会社との間の取引に関するものに限る)について調査のうえ結果によっては取締役の責任を追及する旨の原告株主の掲げる理由は『当該請求の理由』(会社法433 砲箸靴導櫃韻襪箸海蹐ない。」(東京地裁平成30年7月30日判決)

 

(税理士 岡野 訓)

 

 

 

 

| - | 07:54 | - | - |
遺言代用信託の法務 その6 受益権取得と特別受益・遺留分減殺請求

遺言代用信託の法務 その6 受益権取得と特別受益・遺留分減殺請求

 

 金融法務事情2017年9月25日(2074)号より。

 

論説 遺言代用信託の法務
 中田直茂(弁護士・ニューヨーク州弁護士)

 

 続きです。

 

 法定相続人たる第2受益者による受益権取得は、特別受益になる。
 また、遺留分減殺請求対象にもなり得る。

 

 理由は、通常なら、

 

 【1】委託者が生前に信託を解約できる

 【2】委託者は、第2受益者を変更することもできる

 

 ことを鑑みると、経済実質は、預金の遺贈と異ならないからと。

 

 著者は、遺留分減殺請求について、受益権説が相当だと。
 これは、東京地裁判決とも整合的です。

 

 更に、遺留分減殺請求の効果についても記載がありますが。
 相続法改正前の記述と思われるので、省略します。

 

 続きます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

| - | 00:01 | - | - |
会計帳簿等の閲覧謄写請求をめぐる最近の裁判事例

週刊T&Amaster 774 2019年2月11日

 

 株主と企業がトラブって、いやがらせ的に会計帳簿の閲覧謄写請求がされるケースがあると。

 

 最初の事例は、会計帳簿等の閲覧謄写請求の対象に税務申告書及び月次試算表が含まれるか否かが争点となった裁判。

 

 実務で遭遇する機会があるかどうかはわからないが、知っておいて損はないものと思われる。

 

 会社法433,傍定する「会計帳簿又はこれに関する資料」の範囲がどこまでなのか。

 

 原告株主は、保有する被告会社発効株式の全部を売却する予定であるから、最新の情報をもとに被告会社発行株式の評価額を把握する必要があると指摘。

 

 そのうえで、「会計帳簿又はこれに関する資料」は会社の経理の状況を示す一切の帳簿資料をいうと解すべきと主張。

 

 これに対し被告会社は、税務申告書及び月次試算表は閲覧謄写の対象にならないと反論。

 

 裁判所の判断は次。

 

 「会社法433条1項一号所定の『会計帳簿』とは一定時期における営業上の財産及びその価額並びに取引その他営業上の財産に影響を及ぼすべき事項を記入する帳簿すなわち総勘定元帳、日記帳、仕訳帳及び補助簿等を意味し、『これに関する資料』とはかかる会計の帳簿を作成する材料となった書類その他会計の帳簿を実質的に補充する書類を意味するものと解するのが相当である」とした。

 

 さらに、「一般に税務申告書は損益計算書及び総勘定元帳に基づき作成されるものであり、月次試算表は仕訳帳から総勘定元帳の各勘定口座への転記が正確に行われているかを検証するために作成される集計表であることからすれば、税務申告書及び月次試算表は総勘定元帳、日記帳、仕訳帳及び補助簿等に当たらない」と判断。

 

 また、「これら会計の帳簿を作成する材料となった書類その他会計の帳簿を実質的に補充する書類に当たるともいえない」とも。

 

 結論として、「税務申告書及び月次試算表は『会計帳簿又はこれに関する資料』(会社法433 砲砲賄たらない」とした(東京地裁平成30年10月22日判決)。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 07:37 | - | - |
遺言代用信託の法務 その5 第二受益者の受益権取得の法的構造

遺言代用信託の法務 その5 第二受益者の受益権取得の法的構造

 

 金融法務事情2017年9月25日(2074)号より。

 

○論説 遺言代用信託の法務
 中田直茂(弁護士・ニューヨーク州弁護士)

 

 続きです。

 

 生命保険契約と類似した話ですが。
 要するに、固有の権利として、受益権を取得するのだと。

 

 委託者=第1受益者から、第2受益者は承継取得するのでなく。
 原始的に、固有権として、受益権を取得する
ことになる。

 

 つまり、相続放棄をしても受益権には原則影響がない
 当然と言えば、当然の話ですけれど。

 

 ただし、詐害信託に該当する場合には、取消対象になる。
 信託銀行の提供する遺言代用信託商品であり得るかは、分かりませんが。

 

 続きます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

| - | 00:01 | - | - |
配偶者居住権の税務上取扱い

週刊税のしるべ 平成31年2月11日 第3350号

 

 配偶者居住権は、配偶者が居住していた被相続人所有の建物について、遺産分割等により、終身または一定期間、配偶者が無償でその建物に居住し続けることができる権利。

 

 配偶者居住権は、第三者に譲渡することはできないが、第三者に賃貸して収益を得ることは可能。

 

 配偶者が死亡したときには、配偶者居住権は消滅するため、相続税の課税対象とはならない。

 

 しかし、所有権を持つ配偶者以外の相続人等にとっては、使用・収益が制限されていた配偶者居住権の負担がとれることになるため、その分の経済的利益に課税が生じる可能性があるとのこと。

 

 う〜ん、節税で使える可能性を考えて人にはバッドニュース。

 

 そのほか、「配偶者と配偶者以外の相続人等との間で、配偶者居住権の設定について合意解除がなされたとき」には課税関係が生じるのではないか。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 14:47 | - | - |
「他社の中傷書き込み」とウソ説明 “青汁王子”架空広告宣伝費(FNN)

「他社の中傷書き込み」とウソ説明 “青汁王子”架空広告宣伝費(FNN)

 

 すごい。

 

 「競合他社を誹謗中傷するネット上への書き込みを……依頼」

 

 要するに、自社はそういうインチキやる会社だと自白したわけだ

 


「他社の中傷書き込み」とウソ説明 “青汁王子”架空広告宣伝費
FNN 2019年2月13日 水曜 午後0:13

 

「青汁王子」としてメディアに出演していた会社社長が、架空の広告費を計上するなどした脱税の疑いで逮捕された事件で、社長が広告費について、「競合他社を誹謗(ひぼう)中傷するネット上の書き込みの外注費だった」と説明していたことがわかった。

 

 (略)

 

三崎容疑者は、任意の調べに対し、広告費について、「競合他社を誹謗中傷するネット上への書き込みを別の会社に依頼した外注費だった」と説明していたが、実際には、自社の従業員に、誹謗中傷の書き込みをさせていたという。

 

 (略)

 

https://www.fnn.jp/posts/00411919CX

 

 これ、仮に脱税じゃないとなっても、タダでは済みませんね。

 ネットでの振るまいを間違えた事例として、記憶に残しておきましょう。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

| - | 10:37 | - | - |
「全損保険」の販売停止

 「3月までは駆け込み需要で盛り上がるのだろう。」と、このブログで書いておりましたが。

 

 そう甘くはなかったようです。

 

 13日に国税庁が各保険会社へ、通達見直しを通知。

 

 生保各社は、見直し案が固まるまで販売を自粛するとのこと。

 

 日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命のほか、メットライフ生命も本日14日から販売を停止。

 

 駆け込みしようにも、販売してくれる生保会社がないと。

 

 いや、まだある可能性もあるのかしらん。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 07:32 | - | - |
上場株式配当の住民税申告手続で申告不要を選ぶには申告手続が要る

上場株式配当の住民税申告手続で申告不要を選ぶには申告手続が要る

 

内藤)高額所得者の場合、考える必要もないのですが、所得が比較的低水準の納税者の場合、上場株式配当の申告は悩みますね。

 

濱田)最もシンプルなケースだと、国税は総合課税を申告することで、配当控除10%とれて、申告不要よりも有利になる場合だとしましょうか。

 

内藤)住民税は、申告不要制度を採用するのが有利になることが多いですね。総合課税申告だと、5%特別徴収→配当控除考慮後・住民税10%になるということもあるけれど、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料にも影響します。

 

濱田)そうですね。更には、医療費負担の割合にまで影響してくるわけですから、低額な所得であっても、判断はシビアそのものになってきます。

 

内藤)そこで、この梅コースの場合には、

┌【梅コース(基本)】──────┐
国税:申告・総合課税(配当控除)│
│住民税:申告不要  
             │
└────────────────┘

 が、基本パターンとなるとの理解です。

 

濱田)そうですね。ところで、この申告不要制度ですが、言葉で勘違いしやすくいですよね。

 

内藤)そのようですね。国税で確定申告書が出ていれば、住民税も出したことになるのが基本です。

 

濱田)もし国税で配当を申告に入れていなければ、申告不要選択になり、住民税も、それを選んだことになるのが基本だと。

 

内藤)ただ、国税と異なる申告が住民税でも可能であるとされて、一定の時期までに、住民税申告書を出せば別選択が可能になると。

 何が言いたいか、というと、この別選択のためには。

┌─────────────────────────┐
国税で総合課税を選択して申告しているならば。      │
│住民税で申告書を出して、申告不要を明示しないとダメ

└─────────────────────────┘

 ということです。

 

濱田)なるほど。

┌──────────────────┐
│言葉として、「申告不要」とあるので、│
│申告書の提出は不要だ、              │
│というのは勘違いになる      
       │
└──────────────────┘
 わけですね。

 

内藤)はい。なお、国税で申告書提出時に、配当を申告に入れてなければ、国税での申告不要の選択を住民税でもしたことになりますので、この場合は、住民税申告書を出す必要はないことになります。

 

濱田)出すとすれば、国税では申告不要にしたけど、住民税では申告したいという場合ですが、普通はまず出てこないんじゃないかと思います。

 

内藤)譲渡損との損益通算や繰越控除などが絡んでくると、もう少し複雑になってきますが、梅コースの基本に収まるケースがかなり多いんじゃないかと思います。

 

濱田)損益通算でその年の配当所得が譲渡損に全部食われてしまう場合は、配当所得が消えるので、悩みはないわけですが。配当所得が残ってしまったりするようだと、そもそもどうか、とかですね。

 

内藤)あと、前年の繰越控除を使う場合、合計所得金額の判定には、繰越控除適用前の数字が使われる点も要注意ですか。分離課税を使って前年繰越損失を配当とぶつけて有利と思ったら、国税はよくても、住民税の判定から、国保・後期高齢者医療保険額の増加や、医療費負担割合のランクアップに繋がってしまうという事態になりかねません。

 

濱田)実際にそうなってしまい、ビックリされた納税者が結構いるのではないかと思います。

 

内藤)まぁ、これは、従前からの論点ですけどね。

 

濱田)最後に、国税申告での配当課税の選択を、住民税申告で変更する手続は、現状、e-Taxでは不可能です。

 

内藤)ええ、紙の申告書を各市町村に送ることを失念すると、後からのリカバリーができないことになりますので、要注意ですね。

 

濱田)この住民税申告書の提出期限は賦課決定通知書が送られてくるまでですね。

 

内藤)そうです。正確に言えば、納税通知書が送達される時まで(地法32)ですけど。先日、地元の市役所の担当者が言われていたのですが、特別徴収の方は5月31日、普通徴収の方は6月15日頃発送とのことで、徴収方法によって期限が異なるとのことです。

 

濱田)基本、確定申告時期にやっておかないと忘れそうですね。

 

内藤)そう思います。なお、この担当者の方によれば、この期限は、総合課税・申告不要の選択だけでなく、株式等の譲渡損失の繰越控除の適用にも影響があるとのことです。

 

濱田)無料納税相談会場で、この件をどのようにアナウンスしているのか、ちょっと気になりますが、まぁ、業界の良識を信じましょうか。

 

内藤)そういえば、ベンダーのシステムによっては選択の有利不利まで出てくるので、住民税申告まで電子申告で終わったと勘違いした人がいたようですね。

 

濱田)今年は、そういう悲劇がないことを祈りましょう。

 

(税理士 内藤忠大 税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

2019年2月14日7:27 「正確に言えば、納税通知書が送達される時まで(地法32)ですけど。」を追記。
 

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生命保険保険料損金算入規制通達パブコメが近日中に(朝日新聞)

生命保険保険料損金算入規制通達パブコメが近日中に(朝日新聞)

 

 先日、岡野先生が書かれていた件ですね。

 

「関係者によると、国税庁は近く、経営者向け保険の保険料について、経費での扱いを定めた従来の通達を見直し、生保各社に案を示す方針。その後パブリックコメントで意見を聴いたうえで、全額経費算入を見直す見込み。」

 

節税保険の「全額経費」見直しへ 国税、生保に提示方針
有料会員限定記事 柴田秀並 朝日新聞 2019年2月13日04時30分

 

 どういうパブコメが出てくるのでしょうね。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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