大阪勉強会からの税法実務情報

 大阪勉強会メンバーによる記事です。
 税理士実務の文化を創るための税法情報サイトです。
出向対価として子会社から親会社に支払われた金員を寄附金と認定
 旬刊速報税理2014/12/1「今旬の事件」
 生命保険代理業を営む子会社から、親会社である決算書類等の調製受託等を目的とする株式会社に役員等の出向に対する対価として支払われた金員が寄附金に該当するか否かの判断が争われた事件で東京地裁は、出向対価を寄附金認定した事例(東京地裁平成26年2月20日判決)。
 ――――――――――――――――――――

 子会社が、親会社から役員の出向を受け、出向料を親会社に支払ったところ、寄附金認定という事案です。

 記事によると、
 「出向者は出向元事業者の業務には従事しないことを踏まえれば、この事件では、外形的には役員等が出向先事業者と出向元事業者の役員等を兼任している場合と何ら異ならないことになると認定。」

 役員が別会社の役員として出向することはそもそもおかしい、それぞれの会社で役員に就任するだけの話だという意味でしょうか。

 おそらく、子会社の保険代理業が儲かったので、役員報酬を法人同士で付け替えた節税が否認されただけだと思うのですが。

 親会社に決算書類等の調製受託等をしているなんてのは、後付けとしか思えません。

(税理士:白井一馬)
| - | 10:05 | - | - |
特定金銭信託等に係る法人税の取扱いについて(照会)
特定金銭信託等に係る法人税の取扱いについて(照会)

大昔の話で恐縮です。

今読んでいる本(「12大事件でよむ現代金融入門」倉都康行 ダイヤモンド社 2014年10月)で出てくるのですが。

特金とファントラでは、同一銘柄でも簿価通算不要だったと。
そうだっけと思って、確認したら、確かにそうなっていました。

「特定金銭信託等に係る法人税の取扱いについて(照会) 」

「問4 信託財産に含まれる有価証券と他の手持有価証券とは、一単位当たりの帳簿価額の算出の方法を異にしてよいか。

(答)
信託財産に含まれる有価証券と手持有価証券とは、種類、銘柄の異なる有価証券として取り扱うこととしているので、異なる方法を選定できる。」


信託税制の仕組みから考えると、ちょっと違和感あるのですが。
これがバブル当時の財テクの1つとして重宝されたと。

確かに、大昔から持っている銘柄を売って多額の売却益が出ると売れない。
別銘柄扱いできるのなら、こんな良いことはない、となっただろう。

運用期間の問題もあり、やむを得なかったのだろうか。

参考)
「平成19年度 信託税制の改正のあらまし」

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 09:50 | - | - |
ブックレビュー 申告書からみた税務調査対策シリーズ(税理2014年12月号)
ブックレビュー 申告書からみた税務調査対策シリーズ

税理2014年12月号より。
小林磨寿美先生が、鉄則シリーズの書評を書いて下さいました。

申告書からみた税務調査対策シリーズ
法人税の鉄則50


消費税の鉄則30

相続税の鉄則50

再編税制の鉄則30

連結納税の鉄則30

国際税務の鉄則30

で、22番目に解散・清算を入れた意味を推測して下さいました。
大正解!と言いたいところですが、偶然です……。

「最後に、このメンバーの活動にはいつも刺激を受けている。実務に携わる仲間として、共に研鑽を重ねながら、多くのみなさんに役に立つ情報を提供していけたら思うところである。」

正直、全力疾走する小林先生の背中は遠くまだ見えませんが。
ただ、尊敬する先輩の後を今後も歩んでいこうと思っています。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 
| - | 21:02 | - | - |
小規模宅地等の特例適用のボーダーラインについて 2
国税速報 第6339号 平成26年11月24日

 昨日の続き。

 小規模宅地等の特例の適用にあたり、その要件の一つとなりうる「生計を一にしていた」の意義について。

 措法69の4では、被相続人の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等だけでなく、被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等も特例の対象とされている。

 しかし、「生計を一にしていた」の意義についての規定は見当たらない。
 
 よって、その解釈にあたっては、所基通2−47が参考にされている。
同一家屋に起居                  要件
     × 勤務・修学等の余暇には起居を共にすることを常例としている
生活費、学資金、療養費等の送金が行われている
     〇 明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除く

 必ずしも起居を共にしている必要はないが、別居していた親族が「生計を一にしていた」ものとされるためには、その親族が被相続人と日常生活の資を共有していたことを要し、その判断は社会通念に照らして個々になされるところ、少なくとも居住費、食費、光熱費その他日常の生活に係る費用の全部又は主要な部分を共通にしていた関係にあったことを要する。

 例えば、被相続人の入院中に植木の世話や郵便物の確認、居宅の管理等を行っていたとしても、それは親子間の通常の助け合いの範囲内に収まり、生計を一にしているかどうかの判断に直接結びつく行為とは認められないとする裁決も存在する(平成20年6月26日裁決)。

 生計一であることを主張するためには、住居費、食費、光熱費等を共同で支弁していた実態を説明できるようにしておく必要有り。

(税理士 岡野 訓)


 
| - | 07:34 | - | - |
海外所有不動産に係る税務(会計・監査ジャーナル2014年12月号)
海外所有不動産に係る税務(会計・監査ジャーナル2014年12月号)

会計・監査ジャーナル2014年12月号より。

○租税相談Q&A 海外所有不動産に係る税務
租税相談員 川田剛

海外所有不動産の譲渡に係る幾つかのQA。

まず、長期譲渡所得の課税特例は、国外資産でも使える。
現地で課されたキャピタルゲイン課税は、外国税額控除対象になる。

次に、法人所有不動産がある場合の、法人株式譲渡について。
一定の場合には、株式譲渡を不動産譲渡とみなして課税する国があると。

日本の場合は、所得区分は不変でも、税率特例があり得る。
これは、M&A論点として、岡野先生がいつも注意している話ですね。

最後に、国外財産調書制度における株式評価について説明。

詳しくは分からなくても、つかみの話としてはいいのかも。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 12:54 | - | - |
尾道市からの「決算の見込みについて」
尾道市からの「決算の見込みについて」

どうやら尾道市は、財政事情が厳しいらしく。
進行事業年度の決算見込を書面で回答するように、尾道市から法人に書類が届いた由。

任意の書類だろうから、出さなくてもいいのかもと言いつつ。
結局出すことにしたらしい。

出して、また追加でグチグチ聞いてくるようなら。
来年からは出さないように助言するつもりだが。

さて、どうなるか。
私自身は尾道市民ではないが、隣の市であるだけに気になる。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 
| - | 12:44 | - | - |
法務省、会社法施行規則等の改正案を公表
 法務省が会社法施行規則等の改正案を公表


 法務省が11月25日に会社法の改正に伴う会社法施行規則等の改正案を公表している。

 改正される法務省令等は、会社更生法施行令、会社法施行規則、会社計算規則、電子公告規則、一般法人施行規則。

 会社計算規則など、重要な改正はあるのだろうか。

(税理士:白井一馬)
| - | 09:29 | - | - |
小規模宅地等の特例適用のボーダーラインについて
国税速報 第6339号 平成26年11月24日

 小規模宅地等の特例は、建物又は構築物の敷地の用に供されている宅地等であることが大前提だ。

 しかし、税法にはこの建物や構築物についての定義が示されていない。

 建物については不動産登記法や建築基準法等を参考にすればよいのだろう。

 構築物については耐用年数表によってその範囲を知ることができる。

 舗装道路や舗装路面も構築物の範囲だが、ボーダーラインはどこか。

 平成20年11月27日静岡地裁判決では、地面に駐車場位置を指定するためのロープが敷設され、道路に面した側面に野立看板が設置されているのみで、それ以外の設置物はない駐車場について、小規模宅地等には該当しないと判断されている。

 また、平成21年1月29日札幌地裁判決では、敷地の一部にアスファルト舗装やフェンス設置が施されている駐車場について、アスファルト面積が全敷地の8%にとどまっていることを理由に小規模宅地等の特例の適用が否定されている。

 青空駐車場について小規模宅地等の特例を適用するには、耐用年数表等に掲げられているような構築物がその敷地の大部分に存するかどうかの事実確認が必要。

 構築物が風化し、既にその機能がない場合には、特例対象となる構築物に該当しないと判断されることもあるので要注意。

(税理士 岡野 訓)

 
| - | 07:31 | - | - |
国外居住親族の扶養控除適用を厳格化3(小規模宅地特例)
 東京税理士協同組合 組合員等研修会
 立法趣旨と保護法益から学ぶ小規模宅地特例

 2015年01月08日 (木曜日)
 場所 新宿エルタワー30階B室

 関根先生とのセミナーで、
 このあたりの理論を解明してしまう予定です。

 現在、taxMLの議論をレジメに取り込み中。

(税理士:白井一馬)
| - | 21:51 | - | - |
国外居住親族の扶養控除適用を厳格化2(小規模宅地特例)
> 要するに、小規模宅地特例でも、
>同じ事を求めても不思議はない。

 1 所得控除としての生計一
 2 青色専従者としての生計一
 3 小規模宅地としての生計一

 1は、扶養義務の履行
 2は、同一の財布での生活
 3は、同居から始まった生計一だろう。

 つまり、
 学生である子が、親の実家で同居していた。
 これなら当然に同居特例が使える。

 しかし、たまたま親が転勤で実家を離れているときに相続が開始したら。

 評価減できないのは酷だ。
 これが生計一特例なのではないか。
 つまり、同居の延長といえる生計一。

 逆もあります。
 学生である子が、親の実家で同居していた。
 これなら当然に同居特例が使える。

 しかし、子が東京の大学に通うことになったため、分譲マンションを親名義で買ってあげた。 

 そこで相続が開始したら。
 やはり分譲マンションには生計一が使えますが、
 これもやはり同居からはじまった生計一といえる。

> 従来の所得税実務では、
>このあたり甘かったための改正ですが。
> 逆流して、資産税に影響したりしないだろうか。

> ここは、
> 小規模宅地本著者の白井一馬先生のご意見を
> 確認したいところ。

 小規模宅地特例の生計一は所得税より厳しいのでしょうね。独立した子と親の間で、所得控除で生計一が認められても、小規模宅地特例は無理な場合がほとんどだと思います。

 親は年金しかなく、所得税では扶養控除の要件は満たしている。

 ただし、親には預金が1億円ある。
 小規模宅地特例の生計一特例はまずムリですね。

 それは小規模宅地特例の場合、
 同居の延長としての生計一を要求しているからではないかと。

(税理士:白井一馬)
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