大阪勉強会からの税法実務情報

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外国法人の課税原則 総合主義から帰属主義へ

【週間税のしるべ平成25年10月28日号】

 総合課税?帰属所得?と、国際税務に関する知識のないものからすると、いきなり登場した総合主義と帰属主義いう用語は、国際課税に関するものである。
 

 外国法人や非居住者に対する課税体系を表す用語で、現在の法人税法又は所得税法に基づくものが総合主義で、OECDモデル租税条約新7条の考え方によるものが帰属主義である。
 

 帰属主義とは、海外に支店等を有する場合、その現地での課税を、支店等に帰せられる所得についてのみ行うとする課税方式をいい、事業から生ずる所得が支店等に帰属するか否かにかかわらず、現地国で生じたすべての所得を課税対象とする方式が、総合主義である。
 

 平成26年度税制改正の目玉の一つにもなる国際課税の改正。海外支店がある法人や、これから設置しようと考えている法人を関与先にもつ税理士は、税制改正大綱が出る前に政府税制調査会の資料を読むなどして、概略だけでも知っておきたいものである。


(税理士 内藤 忠大)

| - | 09:08 | - | - |
会社法改正法案、自民党で検討
◆新日本法規出版 T&Aマスター 2013年10月28日号

 自民党の法務部会で、今臨時国会提出予定の会社法改正案と民法改正案についての検討が10月22日から開始されたとのこと。

 民法改正案の内容は、先般の最高裁判決を受けたもので、具体的には次。

 1)嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分と同等とする。
 2)戸籍法について、出生届の記載事項から「嫡出子又は嫡出でない子の別」を削る。

 一方、会社法の改正案の主な内容は次。

 1)社外取締役等の要件の厳格化
 2)監査・監督委員会設置会社制度の創設
 3)多重代表訴訟制度の創設
 4)組織再編等の差止請求制度など

 親子会社に関する改正事項や会社分割時の債権者保護の強化など、中小企業でも注意しておくべき論点がいくつかあるので、チェックしておきたい。

(税理士 岡野 訓)
| - | 07:00 | - | - |
民事再生により100%減資+DESがあった場合の支配関係の継続
 X社の持株割合が50%を超えるY社について、100%減資をし、その直後にY社に対する貸付金を現物出資をするいわゆるDESによりX社の100%子会社となった場合、一の者による支配関係が継続しているかどうか、つまり、いつの時点が最後に支配関係が発生した時になるのか疑問があるところです。

 これについては、「一の者による支配関係が継続している」状態をどのように考えるかによって結論が変わると思います。

 例えば、100%減資により出資関係は一度清算されるので、その時点で支配関係がリセットされる、つまりDESの時点が最後に支配関係が発生した時との結論を出すことが可能です。

 一方、支配関係が継続していることを他の者の支配を挟まないことと考えれば、X社は50%超の株主であり続けますので、50%超の支配関係が発生した時が最後に支配関係が発生した時であるとの結論になります。

 このような疑問に関する文書照会が行われ、回答事例が公開されています。結論としては、100%減資と直後のDESでは支配関係はリセットされないこととされています。

 100%減資とDESが民事再生計画に基づくものであることが理由の一つになっていますが、自己株式の取得日とDESの効力発生日が同日であることや現実にその日に株式の消却とDESが行われたことから、単に、持株割合が増加しただけと考えられ、支配関係は継続しているとの結論になっています。

 では、民事再生などの法的手続によらない場合はどうなるでしょうか。この事例のように、100%減資が行われ、その直後にDESが行われていれば、実質的に支配関係は継続しているので、同様の結論になると思います。 http://www.nta.go.jp/osaka/shiraberu/bunshokaito/hojin/130926/index.htm

(税理士 内藤 忠大)
| - | 06:55 | - | - |
◆新日本法規出版 T&AMaster 平成25年10月28日号(2)
◆新日本法規出版 T&AMaster 平成25年10月28日号(2)

○太陽光発電設備の相続税評価額

 太陽光発電設備の評価は、即時償却後の簿価ではなく、普通償却後の簿価で行うとのこと。
 
○大規模な太陽光発電なら給与所得者でも事業所得?

 給与所得者が売電により得た所得が、事業所得になる規模とはどの程度なのか。
 出力50Kw以上で高圧接続であれば、その設置運営のために必要となるコストや手間から、事業所得となる可能性が高いとのこと。
  
 いずれも当然の取り扱いだが、「評価が下がり相続税対策になりますよ」、「即時償却で損益通算効果がありますよ」といったバカな営業をする人への御札記事として使えそうだ。
 
 (税理士 村木慎吾)
| - | 09:21 | - | - |
◆ロータス21 週刊T&Amaster 2013年10月28日号
◆ロータス21 週刊T&Amaster 2013年10月28日号

○太陽光発電設備の相続税評価額

 自社株評価の際にどのように扱うのか、という話。

 で、即時償却は純資産評価で使えないよと。
 まぁ当然ですが。

 ただし、類似業種比準方式や1株あたり利益金額では修正不要だと。
 記事にはないが、非経常的な利益ではないからだろうか。

 しかし、だとすると、非経常的な利益との通算は残るのではないだろうか。
 もしそうなら、調整不要との書き方が、誤解を招くのではないかと。

 なお、「大規模な太陽光発電なら給与所得者でも「事業所得」?」との記事が別途掲載されており、該当者がいる場合には要注意か。

○教育資金の一括贈与に係る「残額」の税務処理について(税理士 塩野入文雄)

 特例利用時に30歳になった時点で、果たして残額が国内財産に該当するのか・
 言われるまで、全く問題の所在を認識していなかった。

 30歳になった時点での判定なので、贈与者がそれまでに出国している場合があると。
 なるほどです。

 ただ、条文上は苦しくても、課税からは逃れられないわけですね。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

| - | 02:08 | - | - |
◆大蔵財務協会 税のしるべ 平成25年10月21日号
◆大蔵財務協会 税のしるべ 平成25年10月21日号

○生産性向上設備投資促進税制
 最新モデル設備が対象
 改正法施行前の遡及適用も可能

 先端設備の対象設備が一覧表にまとめてある。
 ただ、産業競争力強化法の施行ありきだからなぁ。

 なお、既存の中小企業投資促進税制はどうなるのだろう。

 従来要件を加重するものなのかが、ちょっと心配。
 効果拡大分だけ、要件加重との理解でよいのか。

 誰かご存じの方は、教えて下さい。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 00:01 | - | - |
◆租税研究 2013年10月号
◆租税研究 2013年10月号

○国税通則法の実務解説 第2回 納税義務の成立・税額の確定手続(品川芳宣)

 今月は、これ以外に読む記事がなかった。

 納税義務の成立と税額の確定という二段階の関係を理解せよと、
 これは、前者が抽象的な租税債務成立で、後者が具体的債権債務関係だと。

 この辺、我妻先生の所有権移転の説明を思い出すような説明ですね。

 で、所得税は期間終了時点で抽象的な納税義務が成立するのだと。
 では土地譲渡損益通算禁止立法はどうなのと突っ込みたいが、それはさておき。

 消費税が、期末となっていないのは、源泉所得税と同様なんだと。
 期間的な所得金額の算定を予定していないからだと。

 ただ、源泉は税額も自動確定するが、消費税はそうじゃないのが違うんだろうな。

 あと、納税義務成立の効果との話で、繰上請求ってそもそも知らなかった。
 一定の場合に、確定した税額を納期限を繰り上げて請求できる場合があると。

 それと納税猶予や重加算税賦課も納税義務成立が要件だと。
 言われれば、確かにそうだね、って感じだ。

 通則法の勉強にお勧め。

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 11:22 | - | - |
◆ロータス21 週刊T&Amaster 2013年10月21日号
◆ロータス21 週刊T&Amaster 2013年10月21日号

○法人調査Q&A 税務調査官の質問による証拠収集

 取材記事の性格上仕方ないのだろうが、もう少し踏み込みがほしい。

○生保契約バックリベートが必要軽費に
 審判所、保険業法の禁止行為も必要軽費算入を認める

 内容も「へー」だが、もっと驚きは。

 本事案では、調査担当職員が、「(リベートを)受領していない」旨の相手方の申述を鵜呑みにせず、携帯メールの内容に基づいて慎重に検討していれば、その信用性が認められないことに気づけたはず、との考え方を示した。

 これ、すごすぎます。

○経過措置の疑問点(税務マエストロ 熊王征秀)

 短期前払費用や適用税率一致の問題は、国税庁Q&Aで解決しそうな時期。
 もう少し前に出しておいて頂ければなぁというのが、正直な感想。

 外注費の仕入税額控除の問題は、残りそうか。

 (税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 00:01 | - | - |
◆大蔵財務協会 国税速報 平成25年10月21日号
◆大蔵財務協会 国税速報 平成25年10月21日号

○過去の残業代を一括支給した場合の帰属年度とその影響(タックス・ファイル)

 法人税はその時だが、所得税はそれぞれの年度に遡ると。

 ただ、根拠を法人税法22条4項に求めているのだが。
 遡及修正会計基準を適用する場合、どう説明するんだっけ。

○退職後に支給される給与等の源泉徴収(タックス・ファイル)

 退職後の給与等の支給は、乙欄が原則だと。
 言われれば確かに。

 次の就職が決まっている場合は要注意か。
 ただ、退職時にまとめて処理すれば関係ない。

 追加払の場合と、時期がかけ離れて出る賞与が注意だろうか。

○無対価株式交換の場合の株式交換完全子法人の株主における消費税法上の取扱い
(税理士法人トーマツ 組織再編・事業承継グループ パートナー岡田貴子 マネジャー 武井知美)

 なるほど。
 無対価だから、対価はないですね。

 (税理士・公認会計士 濱田康宏)
| - | 00:01 | - | - |
中央経済社 ビジネス法務 2013年12月号
「法務なるほど講座 第6回 企業グループ内における役務提供について」

 税理士・公認会計士であればグループ間取引のスキームを考案することは多いと思う。
 その際税務会計以外の視点として、各種業法に違反していないかという視点はもっているだろうか。
 よくこの点について論じられるのが、弁護士法との兼ね合いについてである。

グループ企業間の法律事務の取扱いと弁護士法第72条の関係について

 親会社の法務部門に子会社の法律相談を行なわせる、示談代行をさせるなどの場合には、弁護士法違反を外部から指摘される可能性もあるということである。
 このことは税理士法・公認会計士法・司法書士法等でも同じことが起こりうる。

 問題が発生したとき、

「このスキームを提案したのは誰だ」
「うちの顧問税理士です」

 とならないように注意してほしい。

 (司法書士 北詰健太郎)
| - | 09:00 | - | - |


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