大阪勉強会からの税法実務情報

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 税理士実務の文化を創るための税法情報サイトです。
◆「法人向け復興増税、終了へ 1年前倒し」とはあるものの
○法人向け復興増税、終了へ 1年前倒し、消費増税に備え
 朝日新聞デジタル 9月19日(木)8時10分配信

 安倍政権は18日、法人税に上乗せしている復興増税の終了を1年前倒しし、
来年4月から法人税率を引き下げる調整に入った。安倍晋三首相が同日、麻生太
郎財務相に「大胆な投資減税を含む法人減税の具体策を検討してほしい」と指示。
来春に消費増税した場合に備え、今月末にまとめる経済対策に盛り込む方針だ。

 (略)

headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130919-00000013-asahi-pol

 このような記事を読むと、復興特別法人税の申告は、3年間でなく2年間で終
わると期待してしまう。
 しかし、実務をやっている税理士なら、これが幻想であろうこともわかってい
る。

 そう、復興特別所得税は25年間続くからだ。
 法人の場合、復興特別所得税は、復興特別法人税からしか控除できない。

 誰ですか、損金処理しちゃうなんて言っている人は。

 何にせよ、この仕組みが変わらない限り、復興特別法人税申告はあと24年続
くのですね。
 アホくさいですな。

 (公認会計士・税理士 濱田康宏)
| - | 06:00 | - | - |
小規模企業共済を利用した退職所得控除額倍増法
 退職所得控除額の計算の基準となるのが勤続年数である。この勤続年数は、原則としてその支払者の下に退職の日まで引き続き勤務した期間とされている。そのため、普通のサラリーマンは、勤続年数は長くても40年前後である。会社の経営者でも80歳まで現役であったとしても60年前後である。普通は、自分が仕事をしていた期間(会社在籍期間)しか勤続年数にならない。

 ところで、自分が仕事をしていた期間を超える期間分の退職所得控除額を使う方法がある。それは、小規模企業共済を使うことだ。

 小規模企業共済を65歳以上の時に解約したことによる解約手当金は退職所得とみなされ、勤続年数は共済加入期間とされる。この小規模企業共済を、退職予定年の5年以上前で、かつ、65歳以上のときに解約をすると、小規模企業共済の解約手当金に係る退職所得控除額と退職金に係る退職所得控除額はそれぞれの勤続年数に基づき計算され、かつ、退職所得控除額の調整がされないためである。

 例えば、30歳で脱サラし会社を設立、かつ、小規模企業共済に加入し、70歳まで会社を経営していた人の場合、65歳までの35年の勤続年数と70歳までの40年の勤続年数は別個に退職所得控除額の計算で使えるため、退職所得控除額は合計4,050万円となる。

 制度の盲点ともいえる部分を突いたものである。勤続年数や退職所得控除額の計算方法が見直される時期がきているかもしれない。

 (税理士 内藤忠大)
| - | 00:00 | - | - |
小規模企業共済を利用した退職所得控除額倍増法
 退職所得控除額の計算の基準となるのが勤続年数である。この勤続年数は、原則としてその支払者の下に退職の日まで引き続き勤務した期間とされている。そのため、普通のサラリーマンは、勤続年数は長くても40年前後である。会社の経営者でも80歳まで現役であったとしても60年前後である。普通は、自分が仕事をしていた期間(会社在籍期間)しか勤続年数にならない。

 ところで、自分が仕事をしていた期間を超える期間分の退職所得控除額を使う方法がある。それは、小規模企業共済を使うことだ。

 小規模企業共済を65歳以上の時に解約したことによる解約手当金は退職所得とみなされ、勤続年数は共済加入期間とされる。この小規模企業共済を、退職予定年の5年以上前で、かつ、65歳以上のときに解約をすると、小規模企業共済の解約手当金に係る退職所得控除額と退職金に係る退職所得控除額はそれぞれの勤続年数に基づき計算され、かつ、退職所得控除額の調整がされないためである。

 例えば、30歳で脱サラし会社を設立、かつ、小規模企業共済に加入し、70歳まで会社を経営していた人の場合、65歳までの35年の勤続年数と70歳までの40年の勤続年数は別個に退職所得控除額の計算で使えるため、退職所得控除額は合計4,050万円となる。

 制度の盲点ともいえる部分を突いたものである。勤続年数や退職所得控除額の計算方法が見直される時期がきているかもしれない。

 (税理士 内藤忠大)
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「当該対価の額の変更を求めることができる旨の定め」の考え方
 税務通信3280号今週のFAQにおいて、

「ご質問の「賃貸料は,賃貸開始から満3年が経過した後に物価変動や管理費等の変動を考慮して協議のうえ改定することができる」旨の定めは,逆にいうと,賃貸開始から3年間は賃貸料の改定を行うことができない旨の定めと解すことができます。」

 という回答がある。「資産の貸付けの経過措置」については、「できない旨の定め」までは求められておらず、「対価の額の変更を求めることができる旨の定め」があるかどうかで判断される。

 また経過措置の適用に当たっては、その定めとは何かという疑念がわく。

 消費税の経過措置は「原則を厳格に適用することが明らかに困難と認められる取引について」適用される(平成25年度税制改正の解説)。

 これを念頭に、賃貸借契約において「困難と認められる取引」とはどのようなものを立法者は想定しているのだろうか。

 それは条文などから読むに、契約時に「何かあったら賃料を変えよう」という合意がなく、実際に直談判しても変えられなかった契約を想定していたと考えられる。
 であるなら「双方合意の上賃料が変更できる」と文言でも契約書にあれば(書かずとも借地借家法により認められた権利だとしても)、当事者同士に変える意志があると見ることが出来るので、増税時の値上げが「明らかに困難」とは言えず経過措置の適用は受けられないのではないだろうか。

 (税理士 三村雄一)
| - | 09:47 | - | - |
被相続人保有時代の値上り益に対する課税
 アメリカの相続税は、被相続人の取得費を引継ぐのではなく、時価承継する。
 つまり、被相続人の保有期間の値上り益に二重課税されない代わりに、値下り損を相続人固有土地の譲渡益と相殺することもできない。

 日本の場合もこの方式を採用すればよかったのではないだろうか。
 そうすれば、土地譲渡損の他の所得との損益通算を禁止する必要もなかった。

 さらにアメリカでは、贈与では、相続の場合と異なり取得費を引継ぐため、被相続人保有時代の値上り益課税が行われる。
 あるいは、優遇の必要があるのなら、取得費の承継を認めれば含み損の利用を認めることもできる。

 日本の税制は根本的に資産価値の値下りを想定していなかったのではないだろうか。
 主税局は、組織再編成など、含み損を利用する節税を防止するための改正に苦労している。

 ―――――――――――
 速報税理 2103.8.21

 法は相続時までの土地の値上益に対する所得税課税を容認
 
 相続で取得した土地を売却した場合、当然ながら、譲渡所得税が課される。しかし、被相続人が取得した時から相続開始時までの土地の値上益相当額を含めて譲渡所得税が課される現行の仕組みに疑問を投掛ける声も実務家の問には多い。つまり、この値上益相当額部分には既に相続税が課されているのだから、所得税法9条1項15号の非課税所得に該当するという主張だ。そこで、課税所得の計算の際には、譲渡収入金額からこの値上益相当額を除くべきであると主張、審査請求が棄却された後に提訴、課税処分の取消しを改めて求めてきた事件がある。しかし、裁判所の壁は厚く、東京地裁は納税者側の主張を斥ける判決を言い渡したため、納税者側は控訴した(平成25年7月26日東京地裁判決、平成24年(行ウ)第354号)。
 
| - | 01:26 | - | - |
◆株式会社を「継続」する場合
 平成22年度改正で、清算中の会社も、通常の事業年度の所得計算が継続される。
 これは周知の通りだ。

 会社法上は営業行為を止め、清算のための活動を行うのみとなる。
 ここで、取締役は辞任して、清算人が就任することになる。

 では、一旦清算中状態になった後、会社を再び営業する場合にはどうするのか。
 この場合、会社法では「継続」との手続きが用意されている。

 そして、この場合も、解散の時と同様に、登記を行う。
 そこで事業年度が税務上切れることになるわけだ。
 

  期首
 ─×───────────────●
                 継続の日の前日
  ←───みなし事業年度─────→           期末
                    ●──────────×──→
                   継続の日
                    ←─みなし事業年度──→

 継続の日の前日までで、決算・申告が必要とされる。
 できれば、事業年度期首を継続の日としたいところだが、さて。

 (公認会計士・税理士 濱田康宏)
| - | 13:57 | - | - |
非嫡出子がいる場合の過去の相続税申告
 当局の対応が明らかになった。
 相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)

 非嫡出子の相続分を2分の1とする必要がなくなるので、相続税の総額に変更がでる。
 違憲判決後は、均分相続に近くなるから、超過累進税率が緩和され通常は相続税の総額は減少する場合が多いはずだ。 

 結論は、違憲判決を理由とする更正の請求はできない。
 違憲判断が「確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものでない」旨の判示を行っているからと説明されている。

 ただし、これから相続税の申告期限が到来するものはもちろん、過去の分について、期限後申告、修正申告、更正の請求のを行うときは、非嫡出子の相続分を2分1にせず計算する。

 今議論が進んでいる民法の改正が実現したときの混乱は想像以上のものにるのではないだろうか。

 =========================
 (税務通信平成25年9月23日)
 最高裁判所大法廷は9月4日、法定相続人に非嫡出子がいる場合に非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号ただし書きの規定について、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項の法の下の平等に違反していたとしたものの、違憲判断は平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続で確定的となった法律関係には及ばないとした。
 非嫡出子と嫡出子の法定相続分が同等になることで相続税の総額が変わることがあるため、既に相続税の申告が行われた事案について影響が及ぶのかどうかなど、今後の対応が注目される。
 なお、9月18日現在、国税庁は、最高裁の決定に対する相続税の取扱いを検討中であり、決まり次第、国税庁HP等で情報等が公表される予定だ。

 (税理士 白井一馬)
| - | 22:49 | - | - |
税務調査は変わるか

   国税通則法の改正で、税務調査が長期化しているという声が実務家から聞こえる。


  私の印象では、試行錯誤の中途に思える。改正直後に比較すると、無意味だと思える手続きは省略しているし、たぶん、来年にはまた、微修正があるのだろう。


  正しい運用部分まで変える必要はないのだから、誰にとっても煩瑣なだけの形式的手続きなどはデメリットでしかない。今までのやり方を変えないための通則法の解釈と運用も必要なはずだ。


  (税理士 白井一馬)

| - | 11:57 | - | - |
◆税務研究会 週刊税務通信 平成25年9月23日号

○予約販売の経過措置は食品などの物品も対象に、定期刊行物のデジタル版は対
象外


 デジタル版は、「書籍その他の物品」ではなく「役務の提供」だからだと。


 確かに、分からなくはない。
 しかし、こういうことは明定して欲しいと思うのは私だけだろうか。


○経産省 新興国での課税トラブル等の事例集公表
 現地における不当な移転価格課税やPE認定等を紹介


 経産省のこういう活動は歓迎。
 変な立法で納税者を混乱させるのはノーサンキュー。


 ついでに、税理士に下請け業者のマネをさせるのもなんとかならないだろうか。

 

 (公認会計士・税理士 濱田康宏)

| - | 11:19 | - | - |
◆大蔵財務協会 国税速報 平成25年9月23日号

○消費税額の計算に伴う端数処理の特例について 上竹良彦


 記事中にクレジットはないが、平成25年度税制改正の解説からすると、上竹氏
は主税局税制第二課課長補佐である。


 復活した端数処理特例の当局解説として、現状では一番詳しいのではないかと
思われる。


○非嫡出子の法定相続分に係る最高裁決定と相続税法 税理士 小林栢弘


 平成25年9月4日付最高裁判決に対する個人的見解の記述。
 国税庁見解が出る前なので、まだ参考というレベルだが、勉強になる。


 で、税の取扱いの手前の話として、この判決への違和感を感じるというのはま
さに同感。


 踏み込んで、個人的には、法定婚姻制度で守るべき法益との関係を議論せずに
単に権利問題として「不平等」だけで判断するのは納得いかない。

 (公認会計士・税理士 濱田康宏)

| - | 11:19 | - | - |


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