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レンタル収納事業に用いられるコンテナの課税上の取扱い[大石篤史他](T&Amaster)

レンタル収納事業に用いられるコンテナの課税上の取扱い[大石篤史他](T&Amaster)

 

 T&Amaster No.829 2020.4.6より。

 

○レンタル収納事業に用いられるコンテナの課税上の取扱い
 大石篤史(森・濱田松本法律事務所 弁護士・税理士)
 山川佳子(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
 宇田川翔(森・濱田松本法律事務所 弁護士)

 

 エリアリンク課税事件での課税庁見解に真っ向から反論しようとするもの。
 という位置付けでいいのでしょうかね。

 

 根拠は、建物は土地の定着物という性質を持っているところ。
 その程度は、コンテナの通常の付着状況に過ぎないのであるから。

 

 最高裁昭和37年3月29日石油タンク事件あるいは。
 大判昭和4年10月19日ボルト釘事件により、付着の程度について。

 

「動揺を防ぐために動産がボルト釘などにより基礎工事等に対して接着されただけの場合」には、特別の基礎工事により土地に固着されていないので、建物にならないと。

 

 へー、そんな裁判例があるのですね。
 あ、確かに、国税庁でも税大論叢に収録していました。

 

「不動産所得の範囲について[福田善行]税大論叢」

 

「そのため、最高裁昭和 37 年 3 月 29 日第一小法廷判決(民集 16 巻 3 号 643 頁)(19)は、「民法86 条は動産、不動産の区別を定めた基本的な規定であって、動産、不動産の観念は、特段の事由の認められない限り概ね右民法の法条に定められるところに従うものと解するを相当」としている(20)。」P264

 

「(22) 租税訴訟ではないが、工場内に据え付けた機械も、大規模の基礎工事によって土地に固着させられると、定着物になるとした大審院明治 35 年 1 月 27 日判決(民録 8輯 1 巻 77 頁)や、機械が、使用する際動揺しないように建物の一部又は基礎工事にボルト・釘・スパイクなどで固定されただけでは、まだ定着物とはいえないとした大審院昭和 4 年 10 月 19 日判決(新聞 3081 号 15 頁)も参考になる。」P265

 

 そして、建築基準法の建築物に当たることがそのまま民法における概念になって。
 土地の定着物になるということにはならない筈だ、というのですね。

 

 なるほど、一理あります。
 ただ、過去の判例は、外気分断性・用途性を一考するまでもない裁判例です

 

 建物類似の用途を意図して設置されたコンテナについても、同様だと言えるのか
 そこは、直感的に言えば、疑問を感じますね。

 

 逆に言えば、多くは建物と同様の機能性を意図しない動産についての判例なので。
 判断において、強く固着性を要求したのではないか
という見方もできます。

 

 なので、これで納税者勝てるのか、というと、個人的には疑問です。

 

 ただし、札幌地裁判決では、「建設現場で使われる容易に移設可能な組立式のプレハブ」について、大石弁護士と同意見のものがありました。

 

「ウ イで認定した事実によると,本件仮設建物は,容易に移動できる仮小舎に類する物であり,かつ,簡易な基礎の上に設置され,差し筋によって土地に固定されているのみで,大規模な基礎工事によって土地に固定されているものではないということができるから,民法86条1項にいう「土地ノ定著物」には当たらず,動産に当たるというべきである。」

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/677/008677_hanrei.pdf

 

 なので、裁判所が大石弁護士たちの主張を是とする可能性もあります。

 どうなるかは、今後のお楽しみでしょうか。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

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