5000万円託した団体が脱税 遺言取り消し、遺族が請求(中日新聞)
これ、面白いですね。
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5000万円託した団体が脱税 遺言取り消し、遺族が請求
家族と疎遠になった高齢者の身元保証などをしている名古屋市の団体が、会員だった男性=当時(56)=から「社会に役立てて」と託された遺産を申告せず、脱税したのは遺志に反するとして、名古屋市内に住む男性の兄(62)が、公正証書遺言の取り消しを求めて名古屋家裁一宮支部に申し立てをしていたことが分かった。初の審判は17日に開かれる。
(略)
団体は、名古屋市中区の一般社団法人「和(なご)みの会」。関係者などによると、男性は愛知県江南市のトラック運転手で、2014年2月に病死した。亡くなる直前、死後に財産を譲る「遺贈」を同会に申し入れ、約5千万円の遺産を「社会のために役立ててください」と公正証書に残していた。
兄の申し立ては、遺言を男性の最終的な遺志と認めつつ、会が遺言内容を実行する義務を負う「負担付遺贈」に当たると主張。会は、別に開設した口座に、男性の遺産を振り込ませて申告せずに脱税し、社会に役立つようには使っていないと訴えている。
兄は、遺言の取り消しが認められれば、会に遺産返還を求める考えで、「弟の遺志を踏みにじられた。本当に社会に役立ててくれる団体に寄付し直したい」と話す。
(略)
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017111690085814.html
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戻ってきたら、その時点で寄附するそうですが。
これって、措置法70条使えるのだろうか。
なんか、条文見ていると、ダメっぽい気がするのですが。
そこは訴えた弁護士さんが検討済みなんですかね。
で、これって、以前報道された事件の第2幕。
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「家族代行」で3900万円脱税容疑 知多市の法人告発
2017/02/10 【中日新聞】
家族と疎遠になった高齢者から譲り受けた遺産を所得として申告せず、法人税約3900万円を免れたとして、名古屋国税局が法人税法違反(脱税)の疑いで、「家族代行」を掲げて生活支援や身元保証などのサービスを展開する一般社団法人「和みの会」(愛知県知多市)と、青山勉元代表理事(64)=同市=を名古屋地検に告発したことが分かった。
青山氏や関係者によると、和みの会は名古屋市内を中心に、身寄りがいなかったり、親族の世話を受けづらかったりする高齢者らの生活支援や身元保証、葬儀の代行をしている。2015年12月期までの2年間で、末期がんを患っていた高齢の会員2人から死後に計約1億5千万円を遺贈されたにもかかわらず、遺産保管用に開設した法人名義の別口座で保管し、申告しなかったとされる。
会員2人は、それぞれ遺産の全額と半額を遺贈していた。遺贈された金は事務所兼交流施設の建設費に充てる予定で、全額残していたという。
昨年10月ごろに強制調査(査察)に入った国税局が意図的な所得隠しと認定したもようだ。青山氏は昨年12月に代表理事を辞任。取材に対し、税制面で優遇される「非営利型法人」への移行を目指していたと説明し、「移行後に申告すればいいと思っていた。脱税の意図はなかったが、知識が足りなかった」と話した。近く全額の修正申告を終える見込みという。
(略)
http://www.47news.jp/m/news/201702/SM0210_1359192.html
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全所得課税法人から非営利法人に移行してから申告すれば。
課税されないと思っていたって、それ要するに脱税ですやん。
恐らく、預かり金処理しておいて、非課税移行後受入処理しようと。
そんな素人発想だったんだろうなと。
中途半端な知識があるだけ、余計悪質じゃん。
ということで、告発されたんでしょうね。
ところで、もし、遺言がなかったことになると。
この法人税って、どうなるのでしょうかね。
もしかして、払いっぱなしになるのだろうか。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)