過大評価を防ぐ土地評価の実務(鎌倉靖二氏研修会)その1
先日、広島市で鎌倉靖二氏の研修を受講してきました。
〇過大評価を防ぐ土地評価の実務
〜申告後も安心できる適正評価に到達するには〜
講師:不動産鑑定士 鎌倉靖二
テキストは、税務研究会の
「改訂増補版 相続税・贈与税 土地評価実務テキスト」
で、買うつもりだったので、配布されてラッキーでした。
何度も強調されていたのは、
◆土地評価で一番大事なことは、時価よりも過大評価しないこと
であり、適正な評価を心がけましょうと。
無理に下げる必要はないが、更正の請求ビジネスにやられないようにと。
そのためには、いかに気がつくかという視点を得るべきだと。
まずは、財産評価基本通達だけでなく、不動産の知識や法律知識が必要だと。
都市計画法や建築基準法の一定の知識を説明。
◆財産評価基本通達の土地評価は「減点主義」
いかにポイントを見つけるか
見つけられないと即過大評価になる
マイナスを見落とさないのに、都市計画と建築基準法の知識が必要だと。
で、都市計画区域の区分に応じて、大まかな地価のイメージを。
なるほど、そこから乖離があれば、違和感があるだろうというのですね。
例えば、市街化100なら調整区域は40くらいの地価だと。
価値のバランスが分かれば結論が見える
逆算方式での頭の計算ができる
価値水準を知っておけば評価明細書のチェックがしやすいと。
◆究極では、土地評価は「建物が建てられるかどうか」の調査が
ちゃんとできれば、大きな誤りは避けられる。
これは、一番なるほどでした。
その後の、評価単位の話にも繋がって、理解が深まった気がします。
◆潜在的な減価要因をいかに顕在化させるか(P173〜、P181〜)
いろんな視点から見ることで見落としが防げる
例 高圧線
現地調査は晴れの日に行くべき
上を見渡して
実は公図からも確認できる
評価対象地にうっすら平行な2本の線が見える
実は路線価図でも分かる
P185
高圧線の鉄塔マークが記されている
鉄塔と鉄塔を定規で繋げば線が分かる
実は路線価図からも分かる
登記でも
地役権設定されていれば分かる
P184 乙区に権利制限の内容が書いてある
→知っていると路線価図の見方も変わってくる
減価要因を見つけることができる
他にもいろいろありますが、全て面白かったです。
で、広大地について、少しだけ話があったので続きます。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)