収用換地特別控除・圧縮記帳(別表10(5)・別表13(4))(1)(大規模法人の法人税申告に当たっての留意点[田代和之]その20(租税研究))
租税研究2020年04月号より。
〇大規模法人の法人税申告に当たっての留意点
田代和之(東京国税局調査第1部調査審理課課長補佐)
続きで、収用換地等の所得の特別控除及び圧縮記帳の関係です。
前者が別表十(五)、後者が別表十三(四)を使います。
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申告書確認表は No. 55 の確認内容ですが,「建物を取り壊して土地を譲渡している場合,別表十(五)の 14 欄又は別表十三(四)の 12 欄の金額にその建物の帳薄価額,取壊費用の額等を含めていますか。」とあります。
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別表十(五)14 欄には、譲渡経贄の額の計算として「支出した譲渡経費の額」と記載されているので、通常は譲渡の際の手数料の額等が入ってくる。
ただ、建物を取り壊して土地を譲渡している場合には。
その建物の帳簿価額等は譲渡経費に該当することになるので。
この帳簿価額等を含めていなければ、所得の特別控除額あるいは圧縮限度額の計算に誤りが生じることになると。
ここで、建物の廃材等の売却代金は、譲渡経費から控除するのに注意か。
つい、消費税意識すると、科目を収入で別科目にしていそうですから。
そして、ここでも、建物の帳簿価額は、会計上の帳簿価額ではないよと。
あくまでも、税務上の帳薄価額となる。
同様に、12 欄「譲渡資産の帳簿価額」に記載される、収用の対象となった土地等についても、会計上の帳簿価額でなく、税務上の帳薄価額を記載すると。
続きます。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)