ココイチ創業者事案はみなし贈与課税事件だった(中日新聞)
ストラディヴァリウスの減価償却費問題だけが、ピックアップされ。
宗次氏の税理士非難コメントが物議を醸しつつありますが。
それよりも、この事件、実は、みなし贈与課税事件だったのですね。
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壱番屋創業者の会社、申告漏れ ストラディバリウス、減価償却して
中日新聞 2019年6月6日 09時00分
(略)
また、宗次氏夫婦は15年と17年に、個人として同社などへ貸し付けていた約10億円を返済してもらう権利を手放したことにより贈与税でも問題を指摘された。
この会社は借入金が減ったため、会社の価値が上昇。株の価値も上がり、株主に利益が生じたため、税法上、「みなし贈与」に当たると判断されたもようだ。
同族会社の株主である宗次氏夫婦と親族5人の計7人は、株の価値が上がり利益を得たとして、みなし贈与とみなされ、課税対象になったとみられる。追徴税額は過少申告加算税を含めて約4億円で、既に修正申告して納税したという。
(略)
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019060690090039.html
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私財を残さない、相続させないと公言されている宗次氏ですが。
この資産管理会社の株主が、同族で棟次夫婦以外に親族5人というのですから。
外から見ると、これって、相続税減らしのためのアクションが悉く裏目に出た。
そのようにも見えるのですが、実際はどうなんでしょうね。
なお、文中だと、宗次氏夫婦は、自分達から自分達へも、みなし贈与を受けた。
そのようにも読める書き方ですが、多分、記者の書き方が粗いだけでしょうね。
棟次夫婦→棟次夫婦以外の株主である親族5人にみなし贈与が生じているだけでしょう。
あと、「みなし贈与とみなされ」は、「馬から落馬した」クラスですね……。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)