国税速報 平成30年4月2日 第6504号
「最終形が同じである場合であっても、手法の選択によって税制適格性に影響があるため、慎重にご検討されることをお勧め致します。」というのが結論。
B社におけるY事業をC社に取り込んだ後に、X事業のみが残ったB社を第三者に売却することとしたが、どちらの手法を選択すべきかの質問。
1)Y事業をC社に移転してからC社をA社の子会社とする手法
2)C社をA社の子会社としてからY事業をC社に移転する手法
1)では、ステップ1でB社とC社との間に完全支配関係が継続しないことが見込まれるため、税制非適格。他方、ステップ2では、B社とA社との間に完全支配関係の継続が見込まれていない場合であっても税制適格。
2)では、ステップ1では、B社とA社との間に完全支配関係の継続が見込まれていない場合であっても税制適格。ステップ2においては、C社とA社との間に完全支配関係の継続が見込まれていれば税制適格。
当然、手法としては2)を選択すべし、ということになる。
平成29年改正により、分割後にグループ上位法人(支配法人)と分割承継法人との間に(完全)支配関係の継続見込みがあれば、たとえ、支配法人と分割法人との(完全)支配関係が継続しなくても、税制適格要件を満たすことになったことが、組織再編成の現場に大きな影響を与えているということだろう。
(税理士 岡野 訓)