貸金庫の取扱いと契約者の死亡(バンクビジネス)
バンクビジネス2018年1月15日号「ここを教えて!新入行員のための金融実務Q&ANo.72」より。
○事務処理編
貸金庫の取扱いと契約者の死亡(谷口敬)
「Q お客様が貸金庫の利用を希望してきた場合、どんな対応が必要になりますか。また、貸金庫の契約者が死亡したらどんな処理を行うのでしょうか。」
貸金庫は、場所貸し契約なので。
規約違反がない限り、何を格納しているか、金融機関は関与しないルール。
利用には、所定の手数料が必要で、定期的に手数料を預金引き落としとする。
営業店で引き落とし設定処理することもあるので、注意をと。
そして、規約違反になるので、格納してはダメなものを伝えろと。
そうか、現金などもダメなんですね。
で。入室は、契約者本人以外に、代理人も入室できるけれど。
最初から開扉で代理人が来ると分かっていれば、予め代理人も届出をと。
そして、入室ルールを説明して、鍵やカードを渡して利用して貰うと。
ここまでが、貸金庫の利用の基本。
そして、契約者死亡時の対応ですが、こちらも預金取引同様なのですね。
相続手続終了までは、利用ができないので、開扉ができなくなる。
ここには書いてありませんが、遺言を入れるなとよく言われるのは。
開扉できなくて、どつぼにはまるからですね。
で、遺産分割協議書など相続手続に必要な書類を提示して貰って。
相続手続きが終わったことを確認してから、開扉や解約で収納物の引き取りとなる。
手前で、相続人の1人から、中に何が入っているか確認したいと言われても。
原則相続人全員の許可が必要になると。
更に、勝手に中身を持ち出されたりしないよう、公証人等の立会まで必要になると。
これは知らなかった。
ちなみに、契約者生前の代理人は、契約者死亡で代理契約が無効になるので。
代理人として来店しても開扉されないのは、当然ですね。
ということで。
貸金庫の問題は、契約者自身が早めに整理しておくべきなのでしょう。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)