都市農地新法 貸借での利活用に期待(日本農業新聞)
農水省が「都市農地の貸借の円滑化に関する法律案」をまとめたと。
こちらを前提に、平成30年度税制改正での制度改正を働きかけしているのだと。
△
都市農地新法 貸借での利活用に期待
2017年09月15日 日本農業新聞 論説
(略)
現行では、生産緑地での営農継続が困難になり第三者に農地を貸すと、相続税の納税猶予が打ち切られる。新制度ではそうした点を改善する。借り手に事業計画の提出を求め、農業委員会の決定を経て市町村長が認定する。借り手は自ら耕作する他、直売所での販売や住民の農作業体験など、都市農地を生かすことが認定の条件となる。この認定基準を厳格にし、目的外使用を防がなければならない。
貸し手の不安を取り除くため、契約した貸付期間が過ぎれば、農地が所有者に戻るようにする。今は借り手の権利保護の側面が強いが、新制度での貸借は農地法の法定更新の適用外とする。つまり耕作権が発生せず、貸しても確実に返ってくる仕組みだ。また無秩序な乱用を防ぐため、計画通り事業が行われない場合は、認定の取り消しもある。新制度で企業参入が進むことも想定し、運用面の厳しいチェックが重要だ。
生産緑地の指定が始まったのが1992年。首都・中部・近畿圏の三大都市圏特定市では、30年の営農継続を条件に固定資産税を農地並みにした。その8割約1万ヘクタールが5年後の2022年に、転用制限が切れ宅地化が可能となる。ただ、生産緑地制度の改正により、30年経過後も10年ごとの延長を認め、引き続き農地並みの税制が受けられる。空前の空き家時代を迎える中で、無理な投機に走ることなく農地を維持できる。
一方、相続税納税猶予の条件は終身営農。新制度で生産緑地での貸借が認められれば、相続税納税猶予も継続できる。課題は、三大都市圏特定市以外の地方圏。現在、地方圏は20年の営農継続で相続税が免除されているが、仮に三大都市圏並みの条件となれば、終身営農や生産緑地でないと相続税の優遇が受けられなくなる。その対象は地方圏の市街化区域農地の99%、約4万8000ヘクタールに上る。相続税納税猶予が活用できなければ営農継続も危ぶまれる。新法では、こうした不合理が生じないよう地方圏にも目配りした万全の措置を講じるべきだ。
(略)
https://www.agrinews.co.jp/p41911.html
▽
そうなんですよね。
我々の地域では、市街地農地は20年営農で免除です。
このあたり、以前、財務省解説から整理しました。
農地の納税猶予制度 特例の農地等の区分ごとの適用関係(taxML税法実務情報)
市街化調整区域は、地方圏では既に終身営農要求になっていますが。
上記記事によると、市街化区域も終身営農が必要になるかもと。
そうなると、貸すことができる相手を見つけられないともうアウトですよね。
なんとか、穏当な改正になることを祈りたいです。
(税理士・公認会計士 濱田康宏)