9月1日にアップした内容に誤りがありました。
濱田康宏先生、内藤忠大先生、白井一馬先生にご指摘いただきました。
>賃貸不動産を信託会社に信託する。
>このとき、受益者が信託会社に支払うアレンジフィー(信託設定報酬)の税務上の取扱いはどうなるのか?
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(信託財産の取得費)
2−19 信託期間中に個人の信託財産に属することとなった資産の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、当該個人が、その資産を、受託者がその取得のために要した金額をもって取得し、引き続き有しているものとして、所得税法第38条((譲渡所得の金額の計算上控除する取得費))の規定を通用して計算する。
この場合において、当該資産の取得に係る信託報酬として受益者が受託者に支払った金額があるときは、その信託報酬は同条第1項に規定する「資産の取得に要した金額」に当たるものとする。
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この通達で、「資産の取得に要した金額」に当たる、としているのは、「当該資産の取得に係る信託報酬として受益者が受託者に支払った金額」です。
ここで、「当該資産」とは、その前の「信託財産」を指しているのであり、「信託受益権」を指しているのではありません。
つまり、信託の設定時に発生する信託報酬については、この個別通達の射程外。
通達が想定しているのは、例えば、土地と現金を信託し、その後、受託者が現金を使って建物を取得した。このときに支払われる信託報酬は、建物の取得費に算入する。そのような内容だと。
で、アレンジフィーは税務上どう取り扱われるのか?
今のところ、根拠を探せずにいますが、「繰延遺産」という説が有力となっています。
(税理士 岡野 訓)