大阪勉強会からの税法実務情報

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配偶者居住権 二次相続等には課税なし

週刊税務通信 令和元年7月15日 3564

 

下記は、2019年2月14日分のブログですが。

 

配偶者居住権の税務上取扱い

週刊税のしるべ 平成31年2月11日 第3350号

 

 配偶者居住権は、配偶者が居住していた被相続人所有の建物について、遺産分割等により、終身または一定期間、配偶者が無償でその建物に居住し続けることができる権利。

 

 配偶者居住権は、第三者に譲渡することはできないが、第三者に賃貸して収益を得ることは可能。

 

 配偶者が死亡したときには、配偶者居住権は消滅するため、相続税の課税対象とはならない。

 

 しかし、所有権を持つ配偶者以外の相続人等にとっては、使用・収益が制限されていた配偶者居住権の負担がとれることになるため、その分の経済的利益に課税が生じる可能性があるとのこと。

 

 う〜ん、節税で使える可能性を考えて人にはバッドニュース。

 

 そのほか、「配偶者と配偶者以外の相続人等との間で、配偶者居住権の設定について合意解除がなされたとき」には課税関係が生じるのではないか。

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 これについては、新たな通達の発遣によって、課税関係が整理された。

 

 すなわち、一次相続で建物や敷地の所有者となる子の相続税が軽減した部分について、配偶者の死亡等の場合には相続税や贈与税等の課税は生じない。

 

 一方、建物所有者との配偶者居住権の解除の合意や、配偶者居住権の放棄などがあった際に、対価を支払わなかった場合には、原則として、その消滅直前の配偶者居住権の価額に相当する利益等に対し贈与税が課される(相基通9-13の2)。

 

(税理士 岡野 訓)

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自動販売機の手数料と軽減税率[税務通信]

自動販売機の手数料と軽減税率[税務通信]

 

自動販売機の手数料と軽減税率
税務通信3561号  2019年06月24日

 

 自販機での飲料の販売(購入)は、軽減税率8%適用。
 これは結構有名ですね。

 

 しかし、自販機設置による手数料で口銭が出る場合があり。
 これは手数料で役務提供の対価なので、標準税率10%
だと。

 

 仮に、大量に販売して奨励金がメーカーから出る場合も同じ。
 手数料の増額たる値増金と認識する
のだという。

 

 なるほど、これは出てきそう。
 つい、数量連動で、飲食品の譲渡と考えかねないですね。

 

 さて、では、手数料の支払いという話から離れて。
 自販機設置者自身が飲料を仕入れて販売する場合はどうか。

 

 これは、飲食料品の譲渡なので、当然、軽減税率8%。
 冒頭で書いた通りですけれど。

 

 では、こちらで、大量仕入れで奨励金が出たらどうかというと。
 今度は、元の仕入れが飲食料品の譲渡なので、対応する奨励金も軽減税率8%だと。

 

 自販機関係は、契約がどうなっているか、確認すべきってことですか。
 結構面倒ですねぇ……。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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短期払保険料、年30万円超なら資産計上

週刊T&Amaster 795 2019年7月18日

 

 解約返戻金がない又はごく少額の医療保険やガン保険といった保険の短期払い保険料の処理について。

 

 これまでは全額損金とされてきたわけだが、改正通達では、一被保険者につき年間保険料が「30万円以下」までは全額損金算入を認めることとした。

 

 ただ、5年や10年といった短期払いの保険料は30万円を超えることが多く、その場合は、保険料の大半が資産計上されることになる。

 

 一旦資産計上された保険料は、払込終了日から被保険者の年齢が116歳に達する日までを計算上の保険期間として、期間按分で毎年損金処理することになる。

 

 仮に被保険者の年齢が50歳の場合には、116歳-50歳=66年で期間按分することになると。

 

 この改正は、10月8日以後に新たに契約する保険契約に係る保険料について適用される。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 07:42 | - | - |
マンション共用部分のアンテナ設置料収入の対応費用に関する裁決例

マンション共用部分のアンテナ設置料収入の対応費用に関する裁決例

 

 平成31年2月15日裁決より。

 これは、マンション管理組合の収益事業申告がある人は必見でしょう。

 

 マンション管理組合が期限後申告した後、費用計上について更正の請求。

 ところが、これが認められなかったことから不服審判に及んだもの。

 

 納税者は、費用を全部収入割合按分で計算し、これでいいと主張したが。
 審判所は、内容により按分基準を分けるべきだと判事。

 

 【1】委託費
  [1]会計の測定、出納に関する費用 …… 収入割合
  [2]マンションの維持、修繕企画等 …… 収入割合
  [3]運営支援           …… 収入割合
  【4】管理員業務費         …… 管理員従事時間
                       按分割合

 【2】点検費             …… 収入割合

 【3】保険料             …… 共用面積
                       按分割合

 

 そして、年間82日から85日の休日を差し引いて従事日数を出し。
 一日あたり7時間を乗じて、年間従事時間を出す。

 

 その上で、収益事業に係る1月従事時間を1時間と認定。

 年間12時間を分子に、年間従事時間を分母にして、按分割合算定。

 

 結果は、0.61%とかなり低くなっている。
 収入割合によるものが7%前後なので、本来影響ありそう。

 

 しかし、共用面積按分割合も7%程度だったので。
 管理員業務費部分以外は影響を受けず、かなりラッキー。

 

 ちなみに、共用面積按分割合の分子は、賃貸する屋上面積だけでなく。
 管理員室の面積×管理員従事時間按分割合も、面積加算されている。

 

 なかなか細かいですね。


 更に、賃貸屋上部分は、基地局部分・電気ケーブル部分・塔屋一部。

 分母は、屋上面積全体に共用部分面積を加算したもの。


 実際の実務では、裁決の計算表をそのまま使うのが簡単そう。

 

 ということで、マンション管理組合で収益事業申告あれば必読だし。
 非営利法人で収益事業申告ある人なら、皆必読と思います。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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法人税法132条の2は特定資本関係5年超の適格合併にも適用可(TPR事件)

法人税法132条の2は特定資本関係5年超の適格合併にも適用可(TPR事件)

 

■TPR社の組織再編に係る行為計算否認を巡り地裁判決、納税者の訴え退ける、特定資本関係5年超の適格合併にも適用可(2019年 7月 8日 税のしるべ)

 

 既に、白井先生と岡野先生に取り上げて貰っていますので。
 事件の概要については、説明不要だと思うのですが、ちょっと私見を。

 

 本事案、形式的には、租税回避に防止規定が発動しただけに見えますが。
 本当に、これ租税回避なのだろうか、という疑問がある事件です。

 

 つまり、そのまま会社を続けさせるのでなく、一旦仕切り直しさせたい。
 そこで、清算の代わりに吸収合併を選択して、一旦、消滅させた。

 

 その上で、消滅会社事業を、新設子会社設立でやらせることにした。
 経営者としては、リセットして、再度やり直しとしたわけですね。

 

 ただ、青色欠損金が、子会社から親会社に付け変わっているわけです。

 これが、帰属付替として、忌むべき行為になるものなのか。


 それとも、付随的結果でありやむを得ない話なのか。

 そこで見方が対立するということなのだと思いますが。


 そもそもの前提として、考えてみるべきなのは。

 

 これが異常な行為であり、個別規定を超えて否認すべきものか。

 現行法は、法人単位所得課税なのだからと言えば、その通りですが。

 

 しかし、既にグループ法人税制などで、この点の修正を図りつつある。

 その視点で言えば、何もおかしくないわけです。

 

 そうすると、この行為は、納税者がいけないことをしたと言えるのか。
 そこをよく考えてみるべきだと思うのです。

 

 組織再編税制の創設当時の立法趣旨であれば、課税庁が正しいかも。
 ただ、今の制度は、当時と微妙に制度趣旨が変わっていないだろうか。

 

 この事例は、その意味で、限界事例だと思うわけです。

 

 事実認定として、本当に租税回避要素の色濃い事件と言えるのか。
 色眼鏡で見ている部分は、本当にないのか。

 

 白井説のように、立法の問題という意見もありますが。
 私は、むしろ、運用側が制度趣旨のあり方を考えていくべき問題の要素が多分にある気がする事件だと感じています。

 

 なお、今回、税のしるべで分かったことがあります。
 納税者は、特定資本関係の継続期間の認識誤りがないか、事前に、東京局に照会して、回答を得ていたのですね。

 

 このあたり、大阪局の製薬メーカー訴訟事件を思い出させます。

 文書照会は、隠れた論点込みで照会しないと、後でちゃぶ台ひっくり返された時に、担当者は立場がなくなる、ということは覚えておきましょう。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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これを「相続対策」と呼ぶのか

これを「相続対策」と呼ぶのか

 

 いや、たまたま見たのですが、結構ビックリです。

 

連載相続専門コンサルタントが指南!資産家の実例に学ぶ超実践的「相続対策」【第3回】幻冬舎GOLD ONLINE
相続税92%減!所有する「駐車場」を有効活用した相続対策
曽根 惠子,保手浜 洋介2019.7.11相続対策収益不動産相続税評価減

 

 この計算例では、配偶者税額軽減手前で計算を終わらせている。
 それは、配偶者取得財産を特定していないからですが。

 

 相続税の総額を減らしたら、それは良い「相続対策」なのか。
 この稿は、暗黙裏に、そのような前提で書かれているわけですが。

 

 しかし、配偶者の老後の生活確保という視点は、どこにあるのだろう。
 分割あるいは帰属を考えない「相続対策」があるとは、知らなかった。

 

 長男が実家に残り、娘達が外に嫁いでいるというのは。
 最近一番多い、揉めるパターンだというのは、誰しも認識あること。

 

 だが、その手前で、「相続対策」が終わったかの如き記述。
 この例を提示する著者たちの勇気は、並大抵ではないと思う。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)
 

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商品・製品等の販売による収益計上時期(法人税実例集成)

商品・製品等の販売による収益計上時期(法人税実例集成)

 

六訂版 法人税実例集成
東京国税局調査第1部調査審理課編
税務研究会出版局 平成9年1月20日六訂版第1刷発行

 

 古い本ですが、質疑応答の塊ですので。
 振り返る意味で、幾つか取り上げてみようかと。

 

 なお、不定期です、恐らく。

 

○1 商品・製品等の販売による収益計上時期

 

 機械メーカーの下請工場として機械部品を納入。

 当社が毎月20日までに納入した部品について。


 その月の末日までに検収を済ませ引取り通知書を送ってくる。

 当社は、検収終了部品についてのみ売上計上することで差支えないか。


 これが問。

 

 答えは、継続適用を条件に、合理的な収益の計上基準として。
 税務上も認められるというもの。

 

 出荷している製商品が、機械装置部品であり、相手方の検収が必要との前提。
 単なる出荷のみで問題のない製商品の場合、結論が変わる可能性ありか。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

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税負担の減少以外に合併理由なし

週刊税のしるべ 令和元年7月8日 第3370号

 

 ユニバーサルミュージック事件とは逆に、こちらは、行為計算否認が容認された事件(令和元年6月27日 東京地裁判決)。

 

 原告は吸収合併の前月、A社と同じ事業目的のB社を設立。

 

 A社を吸収合併した日に旧A社の全従業員をB社に転籍させ、旧A社の事業に係る製品、仕掛品、原材料等の資産、旧A社の従業員に係る負債をB社に譲渡、旧A社の事業に係る製造設備はB社に賃貸した。

 

 地裁は、「本件合併は形式的には適格合併の要件を満たすものの、組織再編税制が通常想定している移転資産等に対する支配の継続、言い換えれば、事業の移転及び継続という実質を備えているとはいえず、適格合併において通常想定されていない手順や方法に基づくもので、かつ、実態とはかい離した形式を作出するものであり、不自然なものというべき」と指摘。

 

 また、同社内での本件合併の検討で「メリット」「ねらい」などとして未処理欠損金額を利用した節税効果が挙げられていたことなどから本件合併の目的は未処理欠損金額の引継ぎにあったとみるのが相当と判断した。

 

 本件合併の不自然さも考慮すると、税負担の減少以外に本件合併を行うことの合理的理由となる事業目的その他の事由が存在するとは認めがたいといわざるを得ないとした。

 

 ユニバーサルミュージック事件と対比させてみると、結果の妥当性に納得がいく。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 08:22 | - | - |
駄菓子の税率は8%・10%混在か

駄菓子の税率は8%・10%混在か

 

 これはビックリ。

 

日本一のだがし売場/シカダ駄菓子岡山店(アニメだがしかしコラボ店)
6月21日
このままだと近々
多くの駄菓子が姿を消すことに…

 

標準税率10%になる駄菓子

標準税率10%になる駄菓子

 

軽減税率8%になる駄菓子

軽減税率8%になる駄菓子

 

 まぁ、しかし、今時駄菓子を買うのって子供とは限らないし。

 仕方ないのかもしれない。

 

 軽減税率制度そのものを止めない以上という前提付ですが。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

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割引債で8億円申告漏れ 母親遺産巡り名古屋国税(産経)

割引債で8億円申告漏れ 母親遺産巡り名古屋国税(産経)

 

割引債で8億円申告漏れ 母親遺産巡り名古屋国税
2019.7.10 14:32産経WEST

 

 「母親の死後、割引金融債の償還で得ていた現金などを意図的に除外」

 

 つまり、割引債を金融機関に持ち込んで、換価した筈で。
 その現金を除外したって話ですよね。

 

 なのに、「 息子は取材に「自分たちの知らない現金だった。国税局の調査を受け、修正申告し全額納付した」と話した。」って、と思いましたが。

 

 それ以外に、自宅や倉庫に段ボールで現金隠していたんですね。
 本気だ。

 

工場や自宅に7億5千万円 段ボール箱に入れ遺産隠しか
有料記事 村上潤治、大野晴香 朝日新聞 2019年7月10日03時00分

 

息子や従業員の自宅を調べると、現金を詰めた段ボール箱が次々と見つかった。」

 

 で、よく知らないと言えちゃうなぁ。
 この後、国税局の告発から、検察による起訴が待っている方に一票。

 

 その時に、名前とかも出ちゃいますね。
 会社の営業に差し支えなければいいですが。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

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