taxML税法実務情報

 taxMLメンバーによる記事です。
 税理士実務の文化を創るための税法情報サイトです。
議決権株式のみ全て保有でも完全支配には該当せず

週刊税務通信 3451 平成29年3月27日

 

 名古屋国税局が3月21日付で、「議決権のない株式を発行した場合の完全支配関係・支配関係について」を公表したとのこと。

 

                                    
  ┏━━━━━━━┓
  ┃    A社         ┃
  ┃                     ┃
  ┗━━━━━━━┛
  ↓100%  ↓80%

 ┏━━━┓┏━━━┓20%┏━━━┓
 ┃B社   ┃┃ C社   ┃← ┃D社   ┃
 ┗━━━┛┗━━━┛  ┗━━━┛

 

 A社が所有するC社株式(80%)は、議決権株式。

 

 D社が所有するC社株式(20%)は、無議決権株式。

 

 このとき、B社とC社の関係は、‘碓譴亮圓砲茲覺袷柑拉朶愀犬覆里、それとも、同一の者による支配関係なのか。

 

 完全支配関係とは、法法2十二の七の六で、「一の者が法人の発行済株式等の全部を直接もしくは間接に保有する関係等」と定義されている。

 

 ここでいう、発行済株式等については、議決権の有無に関する規定はない。

 

 よって、上記の事例では、B社とC社は、‘碓譴亮圓砲茲覺袷柑拉朶愀犬呂覆、同一の者による支配関係のみ有するということになる。

 

(税理士 岡野 訓)
 
 

                           
                                   
 

| - | 07:51 | - | - |
償却資産税は行政サービスとは関係がない(土居丈朗教授の発言)

償却資産税は行政サービスとは関係がない(土居丈朗教授の発言)

 

総務省の担当者が、顔を歪めそうな発言ですね。

 


土居 (略)

 

一方、償却資産はこのような行政サービスとは全然関係ありません。課税客体がそこにあるから課税しやすくて、担税力があるだろうという観点から税金を払ってくださいという面があります。しかも償却資産は移動可能なものですから不動産ではありません。

 

「平成29年度税制改正大綱について語る」土居丈朗(慶應義塾大学経済学部教授)・上西左大信(税理士・日税連調査研究部長)ZEIKEN2017年3月号

 

かつて、山本守之税理士が「事業税なんて要らないんだ」と言って。
「そんなこと言わないで下さい」と言われたとかいう話もありましたが。

 

なお、土居教授発言で、おっと思ったのは次。

 


……、社会保障制度の中で所得の定義が残念ながら洗練されておらず、また、社会保障の給付や保険料の算定のときの所得の定義が、所得税制の中の仕組みを使ったり使わなかったり都合よくされていることです。これに早く、税務当局なり社会保障の担当部局が気がついていただかないといけません。

 

ここが問題点であるのは、仰る通り。
ただ、土居教授の発言には、実は、少し矛盾があります。

 

「都合よく」というのは、誰にとって都合がよいかです。
その人たちが「気がついて」いないわけはないのですから。

 

税務当局なり、社会保障担当部局に任せておいても、改善するわけがない。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 04:29 | - | - |
大規模法人における税務上の要注意項目確認表(平成29年2月提供分)が出ています

大規模法人における税務上の要注意項目確認表(平成29年2月提供分)が出ています

 

もう2月中の掲載ではありますが、確定申告期間中だったので忘れていました。
大規模法人向けのチェックリストが更新されています。

 

調査課所管法人の場合、3月決算法人は早期にダウンロードしておきたいところです。

 

「申告書の自主点検と税務上の自主監査」に関する情報(調査課所管法人の皆様へ)
 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 08:06 | - | - |
日本政策金融公庫よ、お前までもか(会計要領割引制度廃止)

日本政策金融公庫よ、お前までもか(会計要領割引制度廃止)

 

信用保証協会が4月から会計要領による割引を止める件は。
既にアナウンスした通りですが。

 

「中小会計要領」に基づく全国一律の信用保証料率割引の取扱終了について
 

なんと、日本政策金融公庫も同様だそうです。
地元の支店に確認したら、こちらも止めますと。

 

まだ、ホームページには出ていないようですが。
正式に決定しましたと、断言されました。

 

そうか、どちらも中小企業庁施策の一環ですものね。
当然と言えば、当然か。

 

結局、この制度は、割引料率の減額を代替する信用補完の機能がなかった。
中小企業庁は、そのように判断したということですね。

 

私自身は、欠陥だらけの会計要領融資制度の廃止に大賛成ですが。
地元金融機関の支店長は、「今の低金利でねぇ」と渋い顔でした。

 

もう少しまともな制度としてスタートさせておけば、とは思いますが。
中小企業庁の次なる挑戦に期待しましょう。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
マイナンバー 自宅住所等を提示しないようにする方法

マイナンバー 自宅住所等を提示しないようにする方法

 

えー、早く教えてくれれば……。

 


(Q1−7)弁護士が依頼者等に法定調書作成のためにマイナンバーを提供する時、マイナンバー法上の本人確認を担保した上で自宅住所等を提示しないようにする方法はありませんか。

 

(A1−7)法定調書に記載すべき住所については、所得税法等において、特段の定義規定が置かれていないことから、民法上の概念を踏まえ、自宅が生活の本拠である場合には、自宅の所在地が法定調書に記載する住所に該当し、一般的には住民票に記載された住所を記載することとなります。

 

一方で、依頼者は、契約書等に基づく実態に即して、法定調書を作成している場合もあるため、当該契約書等の住所欄に弁護士の事務所住所が書かれているような場合には、弁護士の事務所住所を記載した法定調書を提出しても法令上特段問題はありません

 

マイナンバー法(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)第16条において、同法14条第1項の規定により本人からマイナンバーの提供を受けるときは,本人確認義務を行うこととされているため、本人確認書類(Q1−6参照)を依頼者に提示等する必要があり、本人確認書類には、自宅住所が記載されていると考えられます。

 

しかし、本人確認書類を行うこととされているのは、なりすまし防止をするためであり、本人確認書類上のすべての記載事項を、依頼者に対し提示等する必要は必ずしもありません。つまり、本人確認書類上、氏名・生年月日(・顔写真)等により、個人番号の提供を行う者が当該個人番号で識別される本人であることの確認を行うことができれば足りるため、本人確認書類としての真正性が損なわれない程度において、自宅住所部分にマスキング等を施して、依頼者等に提示等することが可能です。

 

なお、A1−7については、日弁連として国税庁・内閣府とも事前の協議の上、問題ないとの回答を得ています

 

「弁護士業務におけるマイナンバーの取扱いに関するQ&A」(日本弁護士会連合会)

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 07:32 | - | - |
小規模宅地特例 単に信託契約しただけでは適用不可とした事例

小規模宅地特例 単に信託契約しただけでは適用不可とした事例

 

ずいぶん昔の裁決例ですが。
この時代でも、不動産に関する信託事例があったわけで。

 

「信託課税の本質は、受益者課税のパススルー課税だ」と分かっていれば。
当然のことだと、小規模宅地本著者の白井一馬先生なら、仰るでしょうね。

 


◆信託契約中の土地・建物であっても現に事業の用に供されていないものについては、小規模宅地等に該当せず、また、貸家建付地及び貸家に当たらないとした事例

 

▼裁決事例集No.45-336頁

 

請求人は、本件のように相続開始の時において既に信託契約により土地及び建物の管理運用が受託者に委ねられている場合には、現に事業の用に供されていなくとも、これは委託者の責めに帰さないことであるから、小規模宅地等の特例を適用しないのは課税の公平を欠くと主張するが、単に信託契約が締結されていることをもって、信託受益権の目的となっている信託財産に属する土地等の取扱いを、所有者が自ら財産の管理及び運用を行う場合の取扱いと異にすべき理由はなく、本件建物1・2階部分については相続開始の直前において被相続人の事業又は居住の用に供されていない以上、当該特例の適用はない

 

なお、本件建物1・2階部分は事業の用に供されていないから、この部分は自用家屋として、また、この床面積に対応する宅地については自用地として、それぞれ評価すべきである。

 

平成5年5月24日裁決

 

信託契約しただけでは、まだ何も始まっていないということでしょう。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

| - | 00:01 | - | - |
公表裁決事例 平成28年7月〜9月分が収録されました

公表裁決事例 平成28年7月〜9月分が収録されました

 

国税不服審判所のサイトで、公表裁決事例の平成28年7月〜9月分が公表されました。

http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/104.html

 

相続税法関係
(財産の評価 宅地及び宅地の上に存する権利 その他)
審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例(平成24年5月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分・全部取消し)平成28年9月26日裁決

 

(平成28年9月26日裁決)

 

これは、既に紹介した裁決例ですね。

 

2017.02.21 Tuesday
住宅用地への移行を認め広大地評価を容認した事例(平成28年9月26日裁決)その1

 

小規模宅地特例関係もあります。
平成22年改正法適用分ですね。

 

(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地のみが被相続人の居住の用に供していた宅地に当たるとした事例(平成22年10月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分・棄却)
平成28年9月29日裁決

 

小規模宅地本著者の白井先生の解説を期待しましょう。

 

あと、結論は別に驚きませんが。
下記の住宅転貸借関係は、実務ではよく出てきそうな話ですね。

 

消費税法関係
(非課税取引 住宅の貸付け)
請求人が所有する物件の賃貸借に係る契約において、賃借人が当該物件を住宅として転貸することが契約書その他において明らかであるとした事例(平成26年1月1日から平成26年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)
平成28年9月7日裁決

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 07:30 | - | - |
中小企業等経営強化法の新様式による計画認定がスタート

週刊税務通信 3450 平成29年3月20日

 

 中小企業等経営強化法における「経営力向上計画」の新様式による認定が3月15日からスタート。

 

 これに合わせて、A類型、B類型等の手引きや各種様式、記載例等の関係資料等が中小企業庁のHPで公表されています。

 

 注意すべきは、設備の取得前に、工業会の証明書など「経営力向上設備等」の要件を満たすことを示す書類の入手と、計画の申請・認定が必要なこと。

 

 生産性向上設備投資促進税制とは一部取扱いが異なるので、要チェック。

 

(税理士 岡野 訓)

| - | 08:47 | - | - |
「社会福祉法人の会計監査人就任に当たっての独立性に関する留意事項」(会計・監査ジャーナル)

「社会福祉法人の会計監査人就任に当たっての独立性に関する留意事項」(会計・監査ジャーナル)

 

会計・監査ジャーナル 2016年6月号より。

 

○自主規制・業務本部 平成28年審理通達第1号
「社会福祉法人の会計監査人就任に当たっての独立性に関する留意事項」
日本公認会計士協会 平成28年4月1日

 

もう1年近く前に出た、公認会計士法の規制を中心とした確認通達ですが。

 


・公認会計士法 第24条(特定の事項についての業務の制限)

 

  公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第2条第1項の業務を行なつてはならない。

 

◆1 公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去1年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類

 

◆2 公認会計士がその使用人であり、又は過去1年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類

 

◆3 前2号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類

 

2 前項第3号の著しい利害関係とは、公認会計士又はその配偶者が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第2条第1項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。

 

3 国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあつた者は、その在職中又は退職後2年間は、その在職し、又は退職前2年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第2条第1項の業務を行つてはならない。

 

まず、監事の場合、役員なので、公認会計士法24条1項1号の抵触が問題になる。
その場合、過去1年以内って、どういう意味なのかと。

 

この通達では、契約締結日基準で判断になると明示している。
平成30年3月期決算が監査対象年度で、平成29年6月25日契約により会計監査人就任。

 

であれば、監事退任期限は、平成28年6月24日になると。
退任してから会計監査人就任までが1年未満にならないようにせよと。

 

退任翌日起算で、ちょうど1年は平成29年6月24日なので翌日契約OKなのですね。
監査対象年度期首から過去1年じゃなくて良い、というわけです。

 

次に、税務顧問の場合は、同項3号に抵触するかが問題だと。

こちらは、過去1年基準が存在しないので、契約締結前日の退任でもOK

 

ただ、税務顧問を辞めても、利害関係が解消していなければ論外。
その点も念押ししてありますが。

 

で、法令上はこのようになっているけれども、流石にそれはあんまりなので。
上記の例であれば、平成29年3月31日までには税務顧問は辞任しておけ
と。

 

また、自己レビューやなれ合いにならないようにしなさいと。
これは、監事の場合も同じですが、慎重に判断しなさいと。

 

分かりますが、そもそも、昔なら、こんなのダメと書いていたのでしょうね。
でも、監査人の数が足りないので、厚労省に泣きつかれたのかな。

 

私自身は、これこそなれ合いのようにも見えてしまうのですが。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
特殊な家屋の評価(その2)〜増築、リフォームされた家屋(月刊「税」)

特殊な家屋の評価(その2)〜増築、リフォームされた家屋(月刊「税」)

 

月刊「税」(ぎょうせい)2017年3月号より。

 

〇ここが知りたい最新税務Q&A
特殊な家屋の評価(その2)〜増築、リフォームされた家屋
森松祐介(日本不動産研究所固定資産税評価研究会)

 

家屋のリフォームをどう扱うかについては、最近悩ましい話題で。
国税庁は既に質疑応答レベルで対応方針を出していますが。

 

ここでは、固定資産税評価でどう考えるかについて。
資産評価システム研究センターの報告書を参考にして解説してあります。

 

で、基本は、修繕に該当するか、改築に該当するかですが。
メルクマールは、次の2つだと。

 

[1]構造部分を含む更新か、含まない更新か
[2]木造家屋なのか、非木造家屋なのか

 

これについて、

家屋に関する調査研究委員会報告書
平成23年度 家屋に関する調査研究
財団法人 資産評価システム研究センター(平成24年3月)
−大規模災害に係る被災家屋の評価について−
−改築家屋の評価について−  

 

における「表9 「改変」と「修繕」についての整理(イメージ)」(P57)を引用しています。

 

なるほど、木造家屋なら、構造部分を含まない小規模更新は修繕だと。

 

しかし、非木造の場合、構造部分を含まなくても、改築になるものがある。

 

・間取りの変更、建具、建築設備などの新設
・家屋機能・価値の水準向上を図ったもの

 

これらの場合は、非木造家屋の場合、構造部分含まなくても改築に該当すると。

なるほど。

 

このあたりは、評価だけでなく、法人税・所得税の処理でも役立ちそうです。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
  累計:
  本日:
  昨日:

 taxMLメンバーの本

  組織再編本

  関係会社間利益移転

  個人間利益移転

  むづかしい条文本

  事業承継本改訂

  少額債権本

  院長本

  給与本

  百箇条

  小宅本

  テッパン

  選択本2

  一般本

  信託本

  実務目線本

  ▲taxMLに参加するには▲


カレンダー
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
最近の記事
過去の記事
税務情報更新通知サービス
税務情報更新通知サービス」に参加しませんか?