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印紙税 記載文言の解釈は当事者間の実態による

印紙税 記載文言の解釈は当事者間の実態による

 

自分の学習メモの続きですが。

 

課税文書該当性は、表示されていることを超えられないと言いつつ。
文書内容の解釈は、実質的な解釈に、当事者間の実態を加味すると。

 


文書の内容は、その文書に記載されている文言、符合等によって定まりますが、このような場合、記載されている文言、符ちょう、記号等の意味は、当事者間における了解、基本契約又は慣習等を加味して、これを実質的に解釈することになっています(基三−2)。例えば、金額が符ちょうで記載されていて、第三者んは容易に理解できないような場合であっても、当事者間においてその金額を明らかにすることができるものは、その符ちょうが意味する金額の記載がある文書となります。

 

また、代金を領収した場合に、あらかじめ相手方に交付してあった請求書に「相済み」、「済み」、「了」というような表示をして、代金の受領事実を証明するという方法がとられてきていますが、このような場合にも、当事者間においてこれらの表示が金銭の受領事実を証明する目的によるものである限り、領収書の作成があったものとして印紙税の課税対象となります。

 

さらに、他の文書を引用する旨の記載がある場合にも、引用されている他の文書の内容をとり入れてその文書の内容を実質的に判断します(基四)。例えば、注文書に「平成○○年○○月○日付、基本契約書に基づき注文します」というような記載のある注文書の性格は、引用されている基本契約書とあわせてこれを判断し、その結果、この注文によって請負契約が成立することとされているような場合には、この注文書は印紙税法上の契約書(請負契約の成立を証明する文書という意味で)に該当するものと判定されます(基二一−2 法

 

「新しい印紙税法」見治久
税務研究会出版局 平成20年11月1日四訂新版発行
P5(「三 記載文言の解釈は当事者間の実態による」より)

 

契約書の体裁をとっていない文書でも、領収証に該当することがある。
ハンカチにルージュで書いても、契約書ですし(何の話だ)。

 

また、それだけでは、一方的な申込みのように見えても。
引用された他の文書が申込みで、本文書が承諾だとなることもある

 

このあたりは、先に書いたように民法の意思表示理論の結果ですね。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

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申込みの誘引(誘因)の概念(大村「基本民法」より)

申込みの誘引(誘因)の概念(大村「基本民法」より)

 

申込みと承諾の合致で、合意成立となるわけですが。
どの意思表示が申込み・承諾か、というのは案外難しい。

 

その点で、理解しておくべきが、「申込みの誘因」

 

「新基本民法7総則編基本原則と基本概念の法」大村敦志
有斐閣 平成29年4月1日初版第1刷発行
P53より

 

  英会話スクールが、スクール生の選抜のために入学試験を行っていると。
そこに自分が申込みをした場合に、どう考えるか。

 

下記で、(A説)と考えてしまいそうですが。

 

 

どちらが適切かと言えば、B説

この「申込みの誘因」という概念は、合意の熟度に関連していると。

 

ここまでが、大村教授の説明。

 

ついつい、「入試の宣伝」が「申込みの誘因」と考えがちですが。
最後の最後、どうするか悩んで、授業料を払い込みするわけで。

 

受験の段階では、まだ、最後どうするかを保留しているだろうと。
そのようなことを、合意の熟度と呼んでいるのでしょうね。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

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印紙税 課税文書に該当するかどうかは表示された文言等のみで判断

印紙税 課税文書に該当するかどうかは表示された文言等のみで判断

 

自分の学習用メモです。

 


すなわち、ある文書が課税文書に当たるかどうかは、その文書に記載又は表示されている文言、符合等に基づいてのみ判断し、文書に記載又は表示されていない事項は、たとえ、どのような実態があろうとこれをとり入れて判断しないということです(基三)。

 

例えば、大型機械の製造請負に当たって、取引の相手方からあらかじめ見積書をとり、その見積書に基づいて「注文書」を発するような場合に、その注文書に「平成○○年○○月○日付、貴見積第○○号」というような記載があり、この注文書が相手方の見積り(契約の申込み)に基づいて発せられたもの(承諾の意思表示)であることが文書上明らかなものは、この注文書によって請負契約の成立が証明されているものとして印紙税法でいう契約書に該当します

 

一方、実態は同様であっても注文書に見積りに基づくものであることが全く記載又は表示されていない場合には、たとえ、見積りに基づく注文書であることが事実上判明している場合であっても、その注文書自体によって証明されている事項は単に契約の申込みの事実であって、契約の成立等を証明するものではありませんから、印紙税法でいう契約書には該当せず課税されることはありません(基二)。

 

「新しい印紙税法」見治久
税務研究会出版局 平成20年11月1日四訂新版発行
P2(「一 印紙税の性格と課否判断に関する基本的な考え方」より)

 

契約は、意思表示の合致によって成立する。
申込みの意思表示と、相手方の承諾の意思表示の合致。

 

これを明確化したのが、新民法522条。

 


・新民法第522条 (契約の成立と方式)

 

契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

 

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

 

印紙税法を理解するには、民法のこの意思表示理論を知ることが第一歩。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

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法人税の質疑応答事例が更新
 国税庁のHPの法人税が更新されてます。

 NPO法人は法人税法上の公益法人に該当するので収益事業のみ納税義務がある。

 本来の目的として行う事業であっても、34業種収益事業に該当する限りは納税義務がある。

 本来事業(公益目的事業)が必ず非課税になるのは、公益認定を受けた公益社団・財団法人の場合です。

 NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について

 【照会要旨】

 NPO法人A会(以下「A会」といいます。)は、特定非営利活動促進法により設立された特定非営利活動法人であり、法人税法上の公益法人等に該当します(法法2六、特定非営利活動促進法701)。

 今般、A会は、障害者総合支援法(注)に規定する障害福祉サービスを、利用者に対して提供することとしていますが、当該サービスはA会の本来の目的として行う事業であり、公益性を有するものであることから、法人税の納税義務はないと解してよいでしょうか。

 (注)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律をいいます。

 【回答要旨】

 原則、法人税法上の収益事業に該当し、法人税の納税義務があります。

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税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策 その6

税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策 その6

 

税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策
講師:税理士  齋藤和助

 

続きです。

 


損害賠償金に対する課税

 

支払われた保険金は、被保険税理士を通じて依頼者に支払われる。これを受け取った依頼者は益金(個人の場合には雑収入)に計上するため、これにより法人税等の負担が増加することになる。これを「魂麌額の考え方」と同様に考えれば、いわば逆回復額として認容損害額に加算すべきだと考えられる。しかし、税賠保険では保険金は被保険税理士に支払うもので、その後の処理は考慮しないとの立場をとっている

 

したがって、損害賠償金に対する課税は考慮せずに損害額の認定を行っている。(税理士特約条項第1条第2項)

 

なんか、えー!と言いたくなりそうですが。
こう割り切っていると。

 


(注)事故事例における「責任の所在」について

事故事例における「責任の所在」は、保険金支払いの観点から記載されているため、民法における責任(債務不履行責任(民法 415 条)や不法行為責任(民法 709 条))よりも範囲が限定的である。したがって「責任の所在」において「責任なし」や「保険の対象外」と記載されていても、保険金支払いの観点からの責任の有無であり、必ずしも民事責任がないということではない。事故事例を確認される際にはこの点に注意されたい。

 

当然ですが、民事責任と保険支払いにおける責任とは連動しないと。
うーん、出会わずに済ませたいですね。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 00:01 | - | - |
住宅贈与、遺産から除外=相続で配偶者優遇−法制審試案(2)
 自宅を配偶者に生前贈与または遺言すれば遺産分割から外れる。

 と言っても遺留分の範囲内であることが必要なのですね。

 夫の自宅3千万年、預金4千万円

 自宅は遺言または生前贈与すれば、
 特別受益とならず遺産分割の対象にならない。

 残った現金4千万円を産として法定相続分で分ける。
 ただし遺留分は侵害できない。

 妻 1/2 現金2千万円(自宅は遺産分割から除外)
 子 1/2 現金2千万円

 現在の民法なら下記だ。

 妻 1/2 自宅3千万円+現金500万円=3500万円
 子 1/2 現金3500万円

 (税理士 白井一馬)
| - | 15:12 | - | - |
住宅贈与、遺産から除外=相続で配偶者優遇−法制審試案

住宅贈与、遺産から除外=相続で配偶者優遇−法制審試案

 

中間試案の内容で、行くということですね。

 

8月からパブコメ開始で、年内にも要綱案を作成。

来年の次期通常国会に民法改正案提出とは、かなり加速した感じ。

 


住宅贈与、遺産から除外=相続で配偶者優遇−法制審試案

 

相続法制の見直しを進めている法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は18日、結婚20年以上の夫婦のいずれかが死亡した場合、配偶者に贈与された住宅を遺産分割の対象から外すことを柱とする試案をまとめた。

 

(略)

 

現行制度は、配偶者が生前や遺言で住宅を相続財産に計上しない意思を示さない限り、住宅も含めた財産を相続人全員で分割する。このため、住宅の贈与を受けた配偶者はその分、貯金などの取り分が減り、老後の生活が苦しくなる恐れがある。

 

民法部会は、住宅は長年の夫婦の協力で形成された財産であり、相手の老後の生活を保障するため贈与されると解釈。死亡した配偶者には住宅を遺産と見なさない意思があったと推定する規定を条文に設ける方向だ。(2017/07/18-18:18)

 

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071800902&g=soc

 

で、持ち戻し免除推定規定は、遺留分には影響しませんね。
なので、どういう意味があるのかと思っていたのですが。

 

関根先生と白井先生に教わりました。
要は、遺言がなければ、そのまま生きる話だと。

 

うーん、では遺言をしない方がいいのか。
そんな価値観はないでしょうけど、遺言制度の限界なのかな。

 

このあたり、法務省からは、もう少し丁寧な説明が欲しいと感じます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 13:36 | - | - |
税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策 その5

税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策 その5

 

税理士職業賠償責任保険の仕組みと税目別損害賠償事例とその防止策
講師:税理士  齋藤和助

 

続きです。

 


擦修梁焼段未淵院璽垢砲ける保険対応

 

(1)調査等で修正に応じた場合

 

  調査によって非違事項の指摘があり、修正に応じた場合には、その時点で修正申告に係る追徴税額は「本来納付すべき本税」となり、原則として税賠保険の対象にはならない。また、修正に応じず職権で更正された場合においても、これを納付した場合には同様である。

 

修正に応じたら、本税はもうダメ。
職権更正でも、納付してしまうとダメ。

 

前者はともかく。
後者は言われないと、気がつかないかも。

 


(2)依頼者との間で訴訟となった場合

 

  依頼者との間で損害賠償の請求について訴訟となった場合には、原則として判決が確定するまで損害額は確定しない。また和解に至った場合においても、税理士側に責任がないと判断される事案については、保険金支払いの対象とならないこともあり得る。

 

訴訟になると、判決確定まで損害額未確定になると。
精神的には、かなりきつそうですね。

 


(3)消費税において継続適用要件や強制適用期間がある場合

 

2年間の継続適用要件がある制度の選択や原則課税としての強制適用期間がある調整対象固定資産や高額特定資産の取得等に係る事故については、原則として継続適用期間や強制適用期間経過後でなければ損害額が確定しない。したがって保険金の支払いまで時間を要することになる。

 

 。嫁間の継続適用要件がある制度

・消費税課税事業者選択届出書

・消費税簡易課税制度選択届出書

・消費税の原則課税における一括比例配分方式

 

■廓間原則課税として拘束される場合

・事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産(税抜10,000万円以上)を取得した場合(平成28年度改正)

 

・次のイ〜ハの期間中に調整対象固定資産(税抜100万円以上)を取得した場合(平成22年度改正)

イ 課税事業者を選択した場合の強制適用期間中

ロ 資本金が1千万円以上の新設法人の基準期間がない事業年度中

ハ 特定新規設立法人の基準期間がない事業年度中

 

うーん、としか言えませんね。

続きます。

 

(税理士・公認会計士 濱田康宏)

 

| - | 01:17 | - | - |
相談役 顧問制度 

旬刊商事法務NO.]2138号「スクランブル」は、相談役 顧問制度についての議論でした。

 

このテーマは今年に入って経済産業省も調査結果を発表しています。

 

これによると上場会社でも約6割が相談役や顧問が活躍中なんですね。

会社経営には人的なコネクション等もかなり必要ですから、先輩のもっているコネを承継していきたいという気持ちもあるのでしょうが、株主の目線は日々厳しくなっていきそうです。

 

(司法書士北詰健太郎)

 

 

 

| - | 00:00 | - | - |
地代の支払開始により、使用貸借から賃貸借へ移行したか否かが問題に

週刊T&Amaster 699 2017年7月17日号

 

 祖父所有の土地を使用貸借し、父が建物を建てていたと。

 

 祖父の相続により、土地の所有者が孫Aに代わったことを契機として、「土地代」名目で毎月約33万円が父からAに支払われていた。

 

 父死亡による相続税申告の際に、借地権が計上されていないと更正処分がされた。

 

 納税者は、父との間で賃貸借契約は成立しておらず、使用貸借にすぎないから借地権は存在しないとして、審判所に課税処分の取消を求めた。

 

 審判所は、祖父との使用貸借契約が、祖父の死亡を契機に賃貸借契約に変更されたか否かを検討。

 

 〜蠡蛙唯舛犯鐐蠡蛙佑箸隆屬之戚鷭颪虜鄒や権利金の授受がされたなどの事実がないこと

 地代の支払が開始された経緯や動機が不明であること

 C和紊了拱Г開始された当時、Aは未成年者で被相続人とは親子であること

 

 以上を踏まえると、使用貸借契約が賃貸借契約に変更されたとみることはできないと判断。

 

 借地権を課税価格に算入した課税処分の全部を取り消した(平成29年1月17日裁決)。

 

 ちなみに、支払われていた地代は、固定資産税等年税額の1.8倍相当だったらしいが、それでも審判所は賃貸借ではないと判断したということだ。

 

 使用貸借通達では、公租公課以下の金銭授受しかないのであれば、使用貸借に該当する旨が規定されているが、これは十分条件にはならないというわけなのだ。

 

(税理士 岡野 訓)

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